研究課題/領域番号 |
03555045
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金子 成彦 東京大学, 工学部, 助教授 (70143378)
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研究分担者 |
渡辺 辰郎 東京大学, 工学部, 助手 (70011179)
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キーワード | 自励振動 / 流力弾性振動 / フラッタ / すきま流れ / アクティブコントロール / 制振 / 原子炉構成要素 / メカトロ機器 |
研究概要 |
本研究の対象は、人工衛星搭載用のアンテナに代表される静止空気中で振動する弾性平板に働く流体力の評価と、原子炉の熱交換器管群や磁気ディスクロードアームに代表される狭いすき間を流れる流体中にさらされた梁に働く流体力の評価である。 平成3年度は、前者に関しては、弾性支持された剛体平板の並進自由振動波形を測定し、空気の影響を確認するための基礎実験を行なった。減衰振動波形の観察から、流体力の振幅依存性、周波数依存性、端部の形状依存性が明らかになった。また、後者に関しては、狭いすき間流路を流れる流体にさらされた片持ち梁の自励振動を制振するために必要な制振力について定式化を行ない、計算機でシミュレーションすることに成功した。 平成4年度は、主として後者に関する理論計算と実験を行った。具体的には、狭いすき間を流れる流体中にさらされた弾性支持された剛体平板に働く流体力の評価を目的として、実験装置を製作し、圧電素子によって振動を制振させることに成功し、その時にアクチュエータに加えられるエネルギーから励振力を測定することに成功した。また、この時発生する付加流体力によって弾性支持平板に発生するフラッタの限界流速が約30%増加することを確認した。これは理論によって予測されていた値ときわめて近く、理論計算の妥当性を示すことができた。また、すき間流路入り口近傍に流速変動を与えることによっても流体力を測定することができることを発見し、現在研究を続けている。さらに、境界層理論が成り立つとの仮定のもとに展開されている本研究で用いられている「すき間流近似」がどの程度の流路長対流路幅比で成立するかについて理論と実験両面から検討を行った結果、流路長対流路幅比が10以上の場合で成り立っていることを初めて確認することができた。
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