研究概要 |
3ヶ年計画の中間年度にあたる本年度は,前年度開始したフロン分解を続けると共に,その分解対象を他のハロゲン系有機物(トリクロルエチレン),更にアセトン等の一般有害機物にまで拡大してセラミック高周波沿面放電プラズマによる分解処理を試み,いずれの場合にも95%以上の高い分解率が容易に実現されうることを実験的に確認することができた。また,エネルギ効率の検討も行い,最も分解しにくいのがフロン,次いでアセトンであること,濃度が低いほどノモル分解するのに必要なエネルギーは大きくなるが,同一量の空気を同一放電条件で処理する場合分解率は低濃度ほど良いことが判明した。電源周波数依存性を調べた結果,エネルギー効率のみで考えると商用周波数でもかなり良い結果となるがガス処理量や電圧などでは高周波の方が有利であるなど一長一短で今後も検討が必要であることが明らかとなった。また,立ち上がり時間が+1秒台の極短パルス放電,セラミック以外の沿面放電などによる汚染ガス分解性能も予備テストとして実施し,それぞれある程度の処理能力があることが確認された。ちなみに本年は100〜1000ppm程度の濃度の大気圧乾燥空気ベースのガスを処理対象としている。また,本年は,新たにGC-MS分析による分解生成物の解析を開始した。トリクレンの分解では若干量ではあるが有毒なホスゲンの生成が検出された。フロンの分解では,低濃度では分解生成物が検出できないたる1万ppm以上の高濃度でテストしたところ,いくつかのフッ化塩化物が同定されたが,処理率が高くなるとフッ素や塩素がどうなるのか不明である。またアルコール処理では中間生成物としてアセトンができることなどが明らかとなった。
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