昨年度までは、長ギャップ放電を実現するために、20mm間隔の針平板ギャップに回転スイッチを介して、高速に立ち上がるパルス状電圧を加える方式を用いた。この場合には、先行するパルス電圧印加によって放電ギャップが充電されてしまい、ギャップにストリーマ放電が出現する頻度が減少するので、結局オゾン収率が低くなった。これを避けるためには放電ギャップの残存電荷を逃がす必要がある。放電ギャップに並列に抵抗を接続することによってストリーマ放電の出現頻度を高めることができたので、単位時間当りのオゾン生成量を増すことはできたが、抵抗による電力損失が増大したので、単位入力電力当りのオゾン生成量は減少した。 今年度は、放電安定化部を開発した。これをオゾン生成用針平板ギャップに直列に接続することによって、誘電体を介した現用されているオゾナイザーと同じ放電、すなわち交流電圧が零点を通過して、正であれ負であれその振幅を増大していく期間は放電が発生する放電状態を、針平板ギャップに実現することができた。これによって、オゾン生成量、効率共に増大することができた。 放電安定化部は、球電極・1.5mmギャップ・球電極・1.5mmギャップ・球電極の構造を持つ。
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