研究課題/領域番号 |
03555056
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長谷川 英機 北海道大学, 工学部, 教授 (60001781)
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研究分担者 |
坪内 夏朗 三菱電気LSI研究所, 部長
赤沢 正道 北海道大学, 工学部, 助手 (30212400)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 電荷転送撮像素子 / InGaAs / 界面 / MIS / 界面制御 / 界面準位 / MIS形電界効果トランジスタ / 分子線エピタキシー |
研究概要 |
本研究は、代表者らによる「シリコン超薄膜界面制御層」を用いる新しいMIS界面制御技術を、ユニークな材料物性をもつInGaAsを用いた電荷転送形撮像素子の製作に適用できる実用的な界面制御プロセス技術として確立することを目的として、その学問的理解の確立、それにもとづくプロセスに改良と最適化と基本構造の試作を行なったものであり、成果の概要は次の通りである。 (1)「シリコン超薄膜界面制御層」をもつ界面の構造・組成・結合・電子状態を、RHEED、XPS、X線回折、C-V、PL法等で評価・解明した結果、界面制御層が擬似格子整合を保ちつつ化合物半導体をシリコンに変換し、さらにSi-SiO_2界面より、シリコンから絶縁体へのボンド遷移を滑らか行う働きをすることを明らかにするとともに、界面制御層が満たすべき条件を明かとした。(2)この理解にもとづきプロセスの改良と最適化を進め、弗酸処理による表面ストイキオメトリ制御とSi超薄膜の還元作用を組み合わせると、シリコン超薄膜界面制御技術が、半導体表面を大気にさらす通常のデバイス製作プロセスと両立することを見出した。(3)XPS法によるモニタとシリコンの堆積と低温酸化を繰り返すプロセスにより、界面の原子プロフィールの原子層レベルでの精密なモニタと制御・最適化が可能であることを示した。(4)開発された界面制御技術が、電荷転送形撮像素子製作に適用可能であることを実証するために、リセス構造を有する空乏形MIS形電界効果トランジスタの試作、およびMIS形電荷転送形撮像素子の試作を行い、新しいプロセスが素子製作に適用可能であることを実証した。(5)最後に、本研究のシリコン超薄膜界面制御技術の適用範囲を拡大するために、量子構造、ショットキ界面、ヘテロ界面への応用を試みた。
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