研究課題/領域番号 |
03555059
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
内山 晋 名古屋大学, 工学部, 教授 (40023022)
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研究分担者 |
神保 睦子 大同工業大学, 材料科学技術研究所, 助手 (00115677)
綱島 滋 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80023323)
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キーワード | 超高周波帯 / 磁性薄膜 / 透磁率 / ストリップライン |
研究概要 |
磁気記録の高速、高密度化にともない、磁気ヘッドの動作周波数領域は10MHz以上の高周波となってきている。そのため、磁気ヘッド材料としての軟磁性薄膜の評価には、高周波領域での透磁率の測定が重要である。現在、薄膜の透磁率の測定法はいくつか挙げられるが、100MHz程度までの透磁率が測定されているのが現状である。そこで、今年度はRFインピ-ダンスアナライザを購入し、平板コイル(終端短絡のストリップライン)を用いて、薄膜の透磁率を決める要因である自然共鳴と渦電流損の影響の現れる周波数(数百MHz)をこえて透磁率を測定することを試みた。即ち、1-1000MHzの周波数領域で、コイルに膜を入れる前と入れた後のインダクタンスの変化から透磁率の実数部を、抵抗の変化から虚数部を評価することを試みた。 その結果、ストリップラインによる透磁率の測定値は10〜200MHzの領域の2〜5タ-ンのコイルを用いた結果とほぼ一致しており、またこれまで報告されたことのない200MHz以上での透磁率についても、膜の飽和磁化と異方性磁界の大きさから見積られる自然共鳴周波数を越えると急激に低下しており、この測定方法が妥当なものであることを明らかにした。さらに、非磁性層と磁性層を積層した膜の透磁率の高周波特性は、同程度の磁性層厚を持つ単層膜と比較して改善されていることを明らかにした。また、単層膜では、数十MHz以下に磁壁移動によると思われる損失が見られ、百MHz以上の高い周波数領域では損失分がブロ-ドなピ-クを持ち、自然共鳴周波数の分散が著しいことが分かった。
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