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1992 年度 実績報告書

極微細金属配線における高密度電子流に誘起される方向性原子移動現象の解明及び制御

研究課題

研究課題/領域番号 03555061
研究機関広島大学

研究代表者

新宮原 正三  広島大学, 工学部, 助教授 (10231367)

研究分担者 金子 尚史  東芝研究開発センター, 研究主務
坂上 弘之  広島大学, 工学部, 助手 (50221263)
進藤 春雄  福山大学, 工学部, 助教授 (20034407)
堀池 靖浩  広島大学, 工学部, 教授 (20209274)
キーワードエレクトロマイグレーション / ボイド移動 / 結晶粒界拡散 / コンタクト埋め込み / STM / ECRスパッタ / 自己維持スパッタ / 分子動力学シミュレーション
研究概要

エレクトロマイグレーション素過程の解明において、経験的原子間力ポテンシャル及び準古典的バリテイックモデルによる電子風力を用いた分子動力学シミュレーションを行い、ボイドの一様な応力場中での安定性を調ベ、引っ張り応力下ではボイドが安定化、圧縮応力下では不安定化することを見いだした。さらにエレクトロマイグレーションによるドリフト速度は応力に依存し、引っ張り応力下ではドリフト速度が増加することを見いだした。さらに結晶粒界とボイド形成・移動現象との相関を考察し、融点の2/3程度の温度条件では粒界拡散が支配的となるためにボイドの粒界に沿った移動方向が格子内に逆に陽極側となることを見いだした。本結果はまだ実験的には観察されていない。また大気中STMを用いて金配線の表面エレクトロマイグレーションその場観察を行い、室温、電流密度5x10^6/cm^2において表面ステップの移動及び間隔の変化、結晶粒界の移動、マクロなボイド形成等を観察した。これらの現象は多結晶配線であるために複雑になっていると考えられ、いずれもエレクトロマイグレーションによって形成された局所的応力勾配に起因した応力緩和現象であると考えられる。さらに単結晶配線での観察を行い局所的電位分布の乱れ、及びそれとの原子移動の対応関係を詳しく調べ電子風力の機構を追求していく予定である。
エレクトロマイグレーション耐性向上のための金属薄膜堆積法検討においては、まず電子サイクロトロン二倍共鳴(2B)モードによるスパッタ法により、直径0.3μm深さ0.7μmの微細コンタクトホールへのA1埋め込みが従来技術よりもはるかに低い温度300℃で達成された。なお途中過程は表面がまず寒がった後に底まで埋まっていくものであり、活性化エネルギーが0.2eVと著しく小さい活発な拡散機構によることを明らかにした。またDCマグネトロン源を用いた銅薄膜自己維持スパッタに関する研究を本年度より開始し、ArなしのCuイオンのみによる自己維持スパッチが形成されたことを、分光測定により確認した。今後超低不純物薄膜形成のため、真空チャンバーの高真空化を行いエレクトロマイグレーション耐性評価を行っていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] N.Morimoto,S,Takahiro,Y.Matsui,I,Utsuniomiya,H.Shindo,S.Shingubara,and Y.Horiike: "Submicron SiO_2 Hole Filling Characteristics Employing ECR Al Sputtering with High Magnetic Field" Extended Abstracts of the 1992 International Conference on Solid State devices and Materials. 96-98 (1992)

  • [文献書誌] Shoso Shingubara, Taizo Fujii,and Y.Horiike: "Molecular Dynamics Study of Void Movement due to Electromigration --to be published" Abstracts of 183rd Meeting of the Electrochemical Society,Inc.8

  • [文献書誌] S.Shingubara,N.morimoto,S.Takehiro,H.shindo,and Y.Horiike: "Submicron Hole Filling Characteristics Employing ECR Sputtering with High Magnetic Field --being published--" Proceedings of the Advanced Metallization for ULSI Applications 1992. 10

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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