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1992 年度 実績報告書

磁壁の固着による磁化回転型超低損失アモルファス超薄帯極細線新高周波磁心の開発

研究課題

研究課題/領域番号 03555063
研究機関九州工業大学

研究代表者

山崎 二郎  九州工業大学, 工学部, 教授 (40108668)

研究分担者 沢 孝雄  東芝, 新素材応用研究所, 研究員
八木 正昭  宮城工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (80005371)
キーワード高周波磁心 / 低損失 / アモルファス / 磁化回転 / 磁壁の固着
研究概要

昨年度のアモルファス超薄帯の低損失化に関する研究成果を踏まえ、アモルファス細線の一次元的形状に着目して高周波磁気特性の低損失化を試みた。その結果、以下の事柄が明らかになった。アモルファス細線は円周方向に反磁界を有しないため、細線試料に直接電流を通電して円周磁界を印加すれば容易に磁化され、最外皮層で1[Oe]程度の磁界で飽和が得られる。通電により誘導される磁束は漏洩することなく細線試料内で直接電流に鎖交するため、アモルファス細線は大きなインダクタンスを示す。一般に磁性体を数センチ長さに切断すると反磁界のため透磁率が減少する。アモルファス細線を円周方向に磁化しても、反磁界を生じないため、アモルファス細線のインダクタンス特性は試料長に影響されない。10KHz,1mAの電流に対して5cm長の細線で10μHの大きなインダクタンスが得られた。単位長さ当りのインダクタンスは銅線と磁性線を編みこんだクロスインダクターの数倍の値を示す。しかし、一方でQ値が低いという欠点を有する。これらの特性は熱処理により改善される。特に、無磁歪細線をキュリー温度近傍で熱処理すると、磁壁が存在する微少部分にはヘリカル異方性が誘導されて磁壁が固着される。その結果、高周波領域での磁化モードが磁化回転となり、インダクタンスの周波数特性を熱処理前に比較して一桁高い1MHzまで改善することが可能である。インダクタンスの周波数特性改善の原因はマイクロカー顕微鏡を使用した動磁区観察により磁化過程が磁化回転により進行することに起因することが確認された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 八木 正昭,沢 孝雄,山崎 二郎: "高周波用Co基アモルファス超薄帯磁心の磁気特性" 電気学会論文誌A. 112-6. 545-551 (1992)

  • [文献書誌] J.Yamasaki,M.Takajo,F.B.Humphrey: "Domain Obsewation on Fe and Co Based Amarphous Wires" IEEE Transactions on Magnetics. 29-5. (1993)

  • [文献書誌] J.Yamasaki,M.Takajo,F.B.Humphrey: "Mechanism of Re-Entrant Flux Reversal in Fe-Si-B Amorphous Wures" IEEE Transaction on Magnetics. 29-5. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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