研究概要 |
本年度は,前年度において設計・評価された多次元状態空間ディジタルフィルタのための並列プロセッサによる高度並列信号処理システムの性能を評価し,その特徴と問題点を明らかにすることを目的としている. 1.設計された高度並列処理システムの基本動作をワークステーション上でシミュレートすることによって確認するとともに,その演算精度(16ビット)に関しても確認し,このシステムによって高精細映像処理が可能であることを確認した. 2.以上のシミュレーションおよび前年度の評価結果によって,提案システムは,現行のTV画像の実時間処理が可能であることが示された. 3.ただし,多次元状態空間ディジタルフィルタのためのさらに高速な並列信号処理システムを構築するためには,プロセッサ間での状態変数のための通信を減少させることが必要であることが明らかとなった.よって,この設計指針に適合する高度並列処理システムのアーキテクチャとして,分母分離形2次元ディジタルフィルタのアルゴリズムに基づく新しいプロセサアーキテクチャを提案し,このVLSI実現上での動作および性能を動作記述言語によって評価している.このアーキテクチャの評価は現在継続中である.
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