研究課題/領域番号 |
03555076
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
白石 和男 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (90134056)
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研究分担者 |
片岡 春樹 住友セメント株式会社, 中央研究所, 参事
川上 彰二郎 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (10006223)
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キーワード | 偏光素子 / ゲルマニウム / 多層膜 / 積層型偏光子 / 消光比 / 挿入損失 / スパッタリング / 短波長帯 |
研究概要 |
初年度(平成3年度)は、(1)ゲルマニウム単層薄膜の光学的評価、(2)LAMIPOLの試作と光学的評価、(3)LAMIPOLの機械的評価を目標に研究を進めた。この結果、次の成果を得た。 1.ゲルマニウム単層薄膜の光学的評価 1-1.スパッタリングによって作製されたゲルマニウム薄膜の光学定数は単結晶のそれよりもかなり劣化する。しかし、それにもかかわらず、設計上は性能指数(透過波と遮断波との減衰定数の比)が200に達するLAMIPOLが可能であることが分かった。 1-2.スパッタリングにより作製されたゲルマニウム薄膜には多数の未結合手があるが、スパッタ時に水素ガスを導入して、この未結合手を水素で終端することにより光学特性の改善ができ、LAMIPOLの厚さを取扱い易い厚さに拡大できることが分かった。 1-3.ゲルマニウム単層薄膜の光学的特性をさらに改善する(結晶のゲルマニウムの光学定数に近づける)には、成膜時の基板温度が重要であり、より高温が望ましいことを見出した。 2.LAMIPOLの試作と光学的評価 ゲルマニウム単層膜の基礎実験結果をもとに、素子長20μmのLAMIPOLの試作を行った。波長0.8μmにおいて挿入損失0.16dB、消光比30dB、性能指数188の特性を得ることができた(電子情報通信学会誌へ発表予定)。今後、ゲルマニウム単層膜の膜質改善により、LAMIPOLの特性をさらに向上させる計画である。 3.LAMIPOLの機械的評価 Geと石英の2種の交互多層薄膜のみより、その境界にSi薄膜を介在させた方が機械的特性が向上することが分かってきた。
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