研究概要 |
1.光エミッションCTシステムの製作 本年度は,先ず前年度に行った基礎実験の結果に基づき,開発する光-X線ハイブリッドCTシステム全体の設計を行った.そして,その設計に従って,光エミッションCT部のハードウェアを製作した.この部分は,固定したコリメータの前面に設置したミラーをDCモータで高速に回転させ,さらにコリメータ及びミラー部分全体を放電管の回りに連続的に回転させながら投影データを収集していくものであって,数秒で再構成に必要な全投影データを収集することが出来るようになっている.断層画像の再構成は,現有のワークステーションで行い,このためのソフトウエアも開発した. 2.X線CTとのハイブリッド化 上記の光エミッションCTシステムをX線CTシステムと結合して,ハイブリッド化を図った.ここでは,共同研究者弓削の提供による市販の産業用X線CTシステムで取得したガラス管の形状データが,上記の光エミッションCTシステムにおける屈折および反射の補正に即有効となるよう,両者の仕様をリンクさせた. 3.ハイブリッドCTシステムによるデータ収集と画像再構成 開発した光-X線ハイブリッドCTシステムにより,放電管内部の発光強度分布の投影データを測定し,同時に得られた放電管の管壁形状データを用いて,光の屈折補正を行った.実測された管壁形状データを用いることにより,より精度の高い屈折補正を行うことができ,その結果,発光強度分布に関する再構成画像の信頼性が向上した.
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