平成3年度の研究実績においては、当初計画した研究計画をほぼ達することができた。すなわち (1)レ-ダ信号処理のパソコンにDSPボ-ドを組み込んで、FFT計算のハ-ドウエア化、画像処理の高速化達成 :この方式改善により、デ-タ処理時間が約4分の1時間に短縮できた. (2)埋設物の検出のためのアルゴリズムとして、ケプストラム法の確立(研究発表参照) :ケプストラム解析を地下層の位置同定に適用し、解析の理論的背景、結果に及ぼす各種パラメ-タを評価した. (3)レ-ダ信号の統計的性質の検討と、レ-ダ信号のCFAR処理の適用により、信号とクラッタ比の改善達成 :パルス型地中レ-ダで取得された信号の統計的性質は、ワイブル分布に従っていることがわかった.従って、CFAR処理を施すことによって、クラッタの抑圧効果が明かとなった.(研究発表参照) (4)電磁波散乱問題の解法として、差分時間領域法(FD-TD)による計算結果と従来の方法の比較(研究発表参照) :波動方程式のFD-TD法による数値解法を導入して、2次元の複数個の埋設物に対する電磁波の過渡散乱を求めることができるようになった.従来の1次元モデルでの過渡散乱波形との比較検討を進める予定である. (5)実物大模型の作成とホログラフィックレ-ダによる実験デ-タの取得および信号処理(研究発表参照) :コンクリ-ト内に埋設された鉄筋に位置を同定するため、ホログラフィックレ-ダを用いて、実験を行い、レ-ダ信号処理を行った.信号処理の結果、クラッタが抑圧され、鉄筋の位置に電磁波の応答が得られた.
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