研究課題/領域番号 |
03555095
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
豊貞 雅宏 九州大学, 工学部, 教授 (30188817)
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研究分担者 |
村井 亮介 三菱重工業, 広島研究所, 研究員
梶本 勝也 三菱重工業, 広島研究所, 主務
丹波 敏男 九州大学, 工学部, 助手 (10208267)
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キーワード | 帯板のCOD / 誘起曲げ応力 / 弾塑性CODの重ね合せ法 |
研究概要 |
片側き裂材(EN)に引張応力δ_Mを作用させると、き裂線上でδ_Mのみでなく偏心荷重による誘起曲げ応用δ_Bが生じる。したがってこの問題は、弾性学的には中央き裂材(CN)にδ_Mが作用する問題と、ENにδ_Bが作用する問題を重ね合わせたものになっており、K値より推定されるδ_BよりこれらのCODを調査すると弾性CODにも重ね合わせが成立する。 そこでこの原理を弾塑性状態に拡張する手法について検討した。具体的には上記の3つのケースについてFEMで弾塑性解析しCODと作用応力の関係を求め、CNにδ_Mが作用する場合とENにδ_Bが作用する場合を重ね合わせて、ENのδ_MによるCODを推定する手法について検討した。弾塑性状態のため単純な重ね合わせが成立せず、全面降伏荷重の0.2倍の負荷の場合でも単なる重ね合わせが成立しないことが明らかとなり、種々のモデルを導入して重ね合わせ法を検討した。 その結果縦軸に誘起曲げ応力δ_Bをとり、横軸にCNに作用する公称応力δ_Mをとった場合、δ_B=αδ_M(α:K値の重ね合わせより求まる)と、δ_Mがグロス降伏に達したときにδ_B=0とし、この点を通り勾配が-0.9αとなる直線の2つを漸近線(ただしその指数は4)とする曲線でδ_Mを与えると種々のき裂長に対して一律に重ね合わせがほぼ成立することが判明した。 しかしき裂長/板幅>0.5の場合に上記の関係が必ずしも成立していないものがあり、詳細にFEMによるCODの傾向を調査した結果、妥当な結果を得ていないケースがあり、負荷増分などの再検討が一部必要との結論に達した。 昨年度に得たCNにδ_M,ENにδ_Bが作用する場合の弾塑性CODの推定式と上記の結果より、表面き裂の最深部を含む断面のCOD推定の準備はほぼできたが、上述の事情のため再度FEM計算の実施が必要なため、表面き裂に対する直接の検討はできていないが、推定法の基礎はかたまった。
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