実験水槽における波浪中船体運動計測は、理論の検証だけでなく、理論で予測できない非線型な現象をとらえると言う意味でも重要であることは言うまでもない。一方、本学での開発による造波装置の進歩により不規則な短波頂波の造波が可能になり完全に実海面を模擬した波浪中での実験が可能になりつつあるが大振幅の6自由度運動の計測方法についてはまだ確立されているとは言いがたい。 そこで本研究では大振幅不規則短波頂波中での大振幅の6自由度船体運動を光学的な手法で計測する方法の開発を第一目的とし、更に計測結果の解析をも含めた1つのシステムを作りあげることを第2の目的としている。 船体運動を実際と同じ状態で捉えるには無拘束の状態が良いことは明かである。ところで従来のジンバル等を用いて船体運動を計測する方法では回転軸などにある程度の拘束を与える事になり、特に微妙な横運動の計測ではフリ-に近いとは言い難かった。本年度はこの点を特に考慮して遠隔式測定装置の部分を計画し製作、購入した(本年度備品費による)。 変位を計測する手法としては非接触型の光学的センサ-等を使用し6自由度の船体運動を計測しうるようにした。又、そのような計測を可能ならしめるにはデ-タ間の相互の高速演算が必要となるので、変位のデ-タ-はデジタル量として記録し、その後の解析に便ならしめる様に計画した。 更に新たに製作した装置を用い、実際に波浪中での運動を計測しデジタルデタ-を得た。
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