前年度は遠隔式測定装置を製作した。即ち変位を計測する手法としては非接触型の光学的センサーを使用し6自由度の船体運動を計測しうるようにした。又、そのような計測を可能ならしめにはデータ間の相互の高速演算が必要となるので、変位のデターはデジタル量として記録し、その後の解析に便ならしめる様に配慮した。 次に本年度(平成4年度)は2年計画の最終年度であり、先ず前年度作製したシステムによって得られるデジタルの座標データから6自由度の運動を得る式を導出し、それに基づいて計算プログラムを開発した。 その為の手法の1つとしては時々刻々とキャリブレーションをするシステムとした。これをリアルタイムで実行するには計算量が多くなり高速演算が必要である。従ってそのために専用の解析装置を購入し、かつその解析ソフトを開発した。 その上でこれらを確認するために、平水中及び波浪中の模型実験を実施しさらに実際のデーターを得た。使用模型としては走航状態の例として肥大船の他に停止状態の例として海洋構造物のモデルを用いた。 波浪は長波頂の規則波、不規則波の他に方向スペクトル波を使用した。なお実験水槽、方向スペクトル造波装置およびモデルは現有のものを使用した。 又、実験時には8ミリカメラ、ビデオカメラなども併用してシステム全体の精度を確認し実験データの信頼性をチェックした。
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