研究課題/領域番号 |
03555102
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
土岐 憲三 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027229)
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研究分担者 |
清野 純史 京都大学, 防災研究所, 助手 (00161597)
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00027294)
家村 宏和 京都大学, 工学部, 助教授 (10026362)
亀田 弘行 京都大学, 防災研究所, 教授 (80025949)
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キーワード | 土木構造物 / 震動制御 / ハイブリッド実験 / 制震構造 / 制御則 / ワ-クステ-ション / アクチュエ-タ- / 作動時間遅れ |
研究概要 |
構造物を構成する部材や要素の中に計算機で制御可能な構造要素を配置し、地震の継続時間中に構造物の剛性と減衰特性を時々刻々変化させて、構造物全体を地震動に抵抗できるようにする制震構造物が最近注目を浴びるようになってきている。こうした構造系の解析のために、実物大の構造モデルを作成して実験を行うことは、膨大な費用を必要とするため現実的でない。本研究の目的は、制震構造要素の動的特性の把握と、その最適配置に関する研究を行うために、ハイブリッド実験の手法を用いた構造実験システムを開発することである。これは、構造物の応答は計算機でシミュレ-トし、制震構造要素に関しては実物あるいはモデルを利用して実験を行って、相互間を計算機を用いて結合する実験システムである。さらに、入力地震動の特性が考慮できる制御則の開発、構造物の応答が非弾性領域に入るときの応答制御、免震構造要素を有する構造系の地盤に対する相対応答の制御、制御遅延時間のある場合の制御特性などに関する実験的な研究を通して、新しい制震構造システムの開発を図る。 本年度は、制御装置と油圧源ならびにアクチュエ-タを相互に接続し、制震実験モデルを実験施設内に構築し、設置型および可搬型ワ-クステ-ション一式を利用し、制震装置を内蔵する構造物の動的構造解析を実施できるプログラムの開発を行った。現在、両者の計算機を結合して実験システムを構築を行っている。実験を計算機上でシミュレ-トすることによって、テンドン形式の制震機構を対象としてその動的復元力特性の抽出を行なえることを確認した。そして、構造物の非線形特性が制震装置の動特性に及ぼす影響を調べ、構造物の弾塑性領域における耐震性の検討を目的として、種々の制震装置の基でのハイブリッド実験模擬を行った。また、時間遅れを補償するためのアルゴリズムの構築も行った。
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