研究課題/領域番号 |
03555103
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
野田 茂 鳥取大学, 工学部, 助教授 (80135532)
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研究分担者 |
磯山 龍二 日本技術開発(株), 土木本部, 次長
安藤 知明 (株)富士総合研究所, 解析技術第3部, 部長代理
永田 茂 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (50217999)
川上 英二 埼玉大学, 工学部, 助教授 (50125887)
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キーワード | ニューラルネットワーク / ライフライン系 / 被害推定 / 実時間処理 / 復旧過程 / ファジィ推論 / 地震動モニタリングシステム / 現場調査 |
研究概要 |
1.ニューラルネットワークの学習機能を利用して被害推定を即座に行うために、(1)必要な情報の整理とデータベース化の実現および(2)学習則の改良に重点をおいた研究を行った。特に、(1)については、ライフライン全域の地理・設備情報、地盤ゾーニングマップ、センサーの観測値や振源情報などの画像情報を複合化させ、総合的に処理できるようにした。ニューラルネットワークのバックプロパゲーション処理に当たっては、ネットワークの学習能力を高めるために、(1)学習速度を改善させ、安定かつ最適な解が得られようにし、(2)ネットワークの構造が有効に変化できるように、自己組織化を行い、(3)観測データに応じて、シナプス結合を遂次的に同定できるようにした。 2.震後の応急対応と復旧戦略を検討した上で、特に復旧方法や人員・資機材計画について分析を行った。実際には、復旧班がどのような順序でどのような手順で被災設備の保全を行えばよいか、ニューラルネットワーク的アプローチによって組合わせ最適化問題を解いた。評価関数としては、(1)復旧班の移動時間と作業時間の和や、(2)復旧が完了するまでの累積機能損失量などを考えた。被災道路の状況や交通流の実態を勘案し、復旧班の移動条件の拘束下で、評価関数を最小にするような復旧手順を求めた。方法論的には、平均場近似アニーリング法とクーリングスケジュールを用いることにより、最適解にかなり近い近似解を高速に求めるアルゴリズムを開発した。 3.上記の総合評価までの一連のケーススタディを、代表的な供給地区のライフラインに対して実施した。実際に即したデータを用いることにより、提案した即時的被害推定システムが期待通り作動するかどうかを確認し、実用化への目処を立てた。
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