研究分担者 |
野竹 正義 三菱総合研究所, 数理工学部, 室長
鈴木 英男 小野測器, 音響技術研究所, 部長
浜田 政則 東海大学, 海洋学部, 教授 (30164916)
迫田 恵三 東海大学, 海洋学部, 助教授 (50056230)
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研究概要 |
構造物内に存在する異種材料界面の損傷に着目し,超音波を利用した異種材料界面の損傷評価の一つの定量化策を,理論と実験による波動知識ベ-スを開発することにより,具体的に示すことを最終目標として,今年度は次のような計画に従い研究を実行した. 1.理論による知識ベ-スの開発 弾性波動論をもとに,時間と周波数の両域において損傷界面から散乱する波動の特徴付けを行った.具体的な損傷界面モデルとして,複数個のキャビティ-,複数個のインクル-ジョンが分布した界面モデルを設定し,散乱波動の反射率,透過率,遠方での散乱波が有するエネルギ-の分布形態などについて検討した. 2.予備モデル実験と問題点の整理及び改良 理論による知識ベ-スと実験による知識ベ-スを整合性のある知識ベ-スとするための一つの鍵である低周波域探触子を試作・改良した.探触子固有の振動を押え,界面からの散乱波動をより正確に取り出すため,セラミックス系圧電素子の裏込め充填材について工夫した. 3.実験による知識ベ-スの開発 本研究では、主として低周波数域における知識ベ-スの開発を意図しており,送信する波の波長が長くなるため,一般には,損傷度評価の分解能が低下するという側面を持つ.この点を打開するために,信号処理の技法を取り入れ,散乱波動が有する高周波成分から界面状態の違いによる波形の特徴を取り出す方法を採用して,波動の知識ベ-ス化を図った.
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