研究課題/領域番号 |
03555105
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
佐藤 良一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (20016702)
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研究分担者 |
十河 茂幸 株式会社大林組, 技術研究所, 主任研究員
氏家 勲 宇都宮大学, 工学部, 助手 (90143669)
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キーワード | 鉄筋コンクリ-ト / 温度ひびわれ / 温度応力 / ひびわれ幅 / たわみ / 鉄筋ひずみ |
研究概要 |
本研究は、二層に打設されたRC部材の二層目に水和熱によって発生した温度ひびわれが、RC部材がその後外荷重を受けたとき、鉄筋応力度、ひびわれ幅、たわみなどの力学性状におよぼす影響を明かにすることを目的とした。 本年度得られた知見は以下の通りである。 1)温度応力を受けた(以下温度)部材のひびわれ発生荷重は、温度応力を受けない(以下常温)部材のそれと比較し、鉄筋比0.96%で約50%、鉄筋比0.34%で約70%といずれも小さかった。 2)鉄筋比が0.96%と比較的大きい部材と異なり、鉄筋比が0.34%の部材では、一層目の拘束体のひびわれ発生から降伏までの範囲においても、温度部材の鉄筋応力度は常温部材のそれより最大で1.25倍あった。 3)温度部材のひびわれ幅は、ひびわれ間隔が小さいにも拘らず、同一荷重下の常温部材のそれよりも大きい。また同一鉄筋応力度における温度部材のひびわれ幅は常温部材のそれより大きく、鉄筋応力度2500(Kgf/cm^2)で鉄筋比0.96%の部材は1.3倍、鉄筋比0.34%の部材は1.4倍であった。 4)温度部材と常温部材の降伏時のたわみは鉄筋比0.96%の部材ではほぼ差がない。しかし、鉄筋比0.34%の部材では温度部材のたわみは常温部材の約1.8倍であった。 5)鉄筋比が0.34%の部材は、鉄筋比0.96%の部材と比べひびわれの分散が顕著でないために温度応力が開放されずひびわれ幅、鉄筋ひずみ、たわみ、いずれにも温度応力の影響が認められた。 6)以上より鉄筋比が0.34%程度の場合、条件によっては、温度応力の影響を設計上考慮する必要があると考えられる。
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