研究分担者 |
高木 宣章 立命館大学, 理工学部, 助手 (50154753)
矢村 潔 摂南大学, 工学部, 教授 (30026257)
小林 和夫 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10021586)
井上 晋 京都大学, 工学部, 助手 (30168447)
宮川 豊章 京都大学, 工学部, 助教授 (80093318)
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研究概要 |
本研究では、コンクリ-ト構造物における目視不可能な欠陥を測定し、診断する代表的な試験方法として、超音波法,反発硬度法,電磁誘導法,自然電位法,分極抵抗法,X線透過法などをとりあげ、本年度においては主として供試体による室内実験によりこれらの方法の特徴,問題点について検討を行った。本年度において得られた主な結果を以下に示す。 1.超音波法と反発硬度法の併用により、実構造物のコンクリ-トの圧縮強度を重相関係数0.9以上の高精度で推定することが可能である。 2.超音波法における伝播速度の分布形状は、同一供試体については装置特性および測定者が異なってもほぼ一定であり、速度分布から内部欠陥の評価が可能である。 3.厚さが20cmの部材中の10cm角の板状空隙による超音波伝播速度の低下は明瞭であるが、部材厚さが大きくなると空隙による速度低下は少なくなる。内部空隙による伝播速度の低下が10%程度以上であれば、伝播速度分布からその大きさをほぼ推定できるが、骨材が接触していて完全な空隙になっていない内部豆板探査は困難と思われる。 4.分極抵抗法における矩形波電流分極法は装置が簡便であり、野外での測定などその適用範囲は広いが、装置の性質上真の分極抵抗が得られないため、別に交流インピ-ダンス法などによって真の分極抵抗を測定し、補正をする必要がある。 5.X線透過法により厚さ20cm程度のコンクリ-ト小型供試体中の鋼材位置は推定可能である。同様に、内部欠陥位置やその大きさもある程度推定可能であるが、供試体の寸法や使用フィルムの特性によって最適のX線照射量と照射時間が存在し、また、散乱X線の量によっても得られるX線写真が著しく異なることから、実構造物試験においてはこれらに関する予備的な検討が必要となる。
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