研究課題/領域番号 |
03555112
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研究機関 | 明石工業高等専門学校 |
研究代表者 |
澤 孝平 明石工業高等専門学校, 土木工学科, 教授 (80026137)
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研究分担者 |
鈴木 一幸 (株)コトー, 開発技術部, 部長
友久 誠司 明石工業高等専門学校, 土木工学科, 助教授 (60099827)
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キーワード | 廃棄物 / 土質安定処理 / 路床・路盤 / 一軸圧縮強度 / 電子顕微鏡 |
研究概要 |
廃油を含浸した製紙焼却灰にセメント系固化材を添加した固化処理材料の強度発現と建設材料としての可能性を検討するため、廃油の代わりに水とマシン油の混合液を用いて硬化反応メカニズムを追究した。 1.最大乾燥密度の供試体が得られる混合液の配合(低コンシステンシー)の場合は含浸させる混合液中の油の割合が少ないほど強度発現は顕著となる。一方、低コンシステンシーより混合液が10%多い配合(高コンシステンシー)では養生初期の強度増加は小さいが長期の強度発現が顕著であり、28日養生以後では低コンシステンシー供試体を上回る強度になり、油分を10〜20%程度混合した場合にも最も大きな強度になる。 2.硬化体の油の溶出試験(環境庁告示第3号)の結果、混合液中の油の混合比が30%の場合は12%、また、混合比が10%では3%の固化材添加率で「産業廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に定められている油分を含む産業廃棄物の判定基準値以下の溶出量となり、周辺環境へ及ぼす影響の少ないことが明らかになった。 3.低コンシステンシーの固化処理材料は固化材添加率3%で路床、約9%添加率で下層路盤に使用が可能である。また、高コンシステンシー処理灰は約6%程度の固化材添加率で路床に、そして、8%、11%の程度の添加率で下層および上層路盤としての適用が可能であり、建設材料として有効に利用できる。 4.硬化反応生成物としては油を混合した高コンシステンシー処理材でエトリンガイトの成長が顕著である。そして、CSH系反応生成物とともに養生に伴う強度発現に大きく貢献していることが明らかとなった。しかし、油の存在によりX線回折などによる定量は困難であった。 今後の課題は固化処理材の油臭さの減少対策や硬化体の耐久性および長期安定性を検討する必要がある。
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