研究課題/領域番号 |
03555114
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
日野 幹雄 東京工業大学, 工学部, 教授 (30016323)
|
研究分担者 |
佐藤 行成 日本科学工業(株), 開発部長
太田黒 俊夫 計算流体研究所, 主任研究員
山本 晃一 建設省, 土木研究所, 河川研究室長
神田 学 東京工業大学, 工学部, 助手 (90234161)
|
キーワード | 乱流計測 / 乱流三次元瞬間像 / 河川乱流 / 大規模構造 / 秩序構造 / 電磁流速計 / 多点同時計測MASCON法 / 仮想荷重法 |
研究概要 |
(1)多点同時計測用小型電磁流速計の開発:従来の電磁流速計は1点の計測につき1台のアンプを使用している。そこで、複数個(今回は4個)の2成分(u,v成分)プロ-ブからの流速信号を1台のアンプで処理するように新しく設計を行った。これはプロ-ブ1個1個の特性が異なるので意外に難しい。科研費によりこれを1台製作し、もう1台を土木研究所の別予算で購入し、2成分流速計による8点計測が可能となった。 (2)3次元乱流構造の瞬間像の推定法の開発:上記の8点で得られる2成分流速の記録から、3次元乱流構造の瞬間像の推定法の像を逆推定する方法を開発した。すなわち、8点の流速の同時デ-タを、まず"仮想荷重法"により内外挿し、これを第一近似値として、流れの基礎方程式である連続の方程式を満たさせるよう、変分法原理に基づいたMASCON法による修正を行った。 (3)風洞実験による検証:上記の方法の妥当性と信頼性を検証するために、振動流風洞でホットワイヤ流速計11本による多点同時観測を行い、乱流の大規模秩序運動が検出しうることを確認した。 (4)実河川における適用:今年度は実河川への適用は行わない予定であったが、電磁流速計が予想より早く完成し、方法の検証も終わったので、建設省土木研究所が所有する涸沼川の観測施設による実測を行った。 まず、流れの強い洪水時にも耐えられるようプロ-ブの支持方法とトラバ-ス装置を自作した。ついで、1991年 月の洪水の減水期に実測デ-タの取得を行った。このときの水深はm、流速m/sであった。プロ-ブ間の距離をcmに設定し、河川の低面近傍と水表面近傍を中心にして沢山のデ-タが得られた。これらのデ-タを整理して、乱れ強さ、レイノルズ応力分布など通常の統計学分布の他、目的とした実河川における洪水中の高レイノルズ数域での乱れの瞬間像が得られた。
|