研究課題/領域番号 |
03555114
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
日野 幹雄 東京工業大学, 工学部, 教授 (30016323)
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研究分担者 |
神田 信之 (株)東京計測, 技術部長
山本 晃一 建設省, 土木研究所, 河川研究室長
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キーワード | 河川乱流の瞬間像 / 乱流組織構造 / 大規模渦 / ボイル / バースティング / 洪水流 / 流速計測 / MASCON法 |
研究概要 |
1.目的:実河川で使用可能な流れの瞬間像(瞬間流速分布、土砂濃度分布)の計測法および解析法を開発し、実際に洪水時に適用し、河川乱流の実像を握む。 2.方法:4ケ所の地点で流速の二成分(U,V)を同時に計測しうる電磁流速計を開発し、同装置2台により流れを横切る断面内の8点で流速2成分同時計測を行った。得られたデータより、効果的な内外挿法(仮想荷動法)により面内の各格子点の流速推定を行い、さらにMACON法(変分法により最小二乗誤差基準に従い流れの連続式を満たす解を求める方法)を応用して各格子点を流速を求める。その後、コンピューター・グラフィックスにより流れ場の三次元図化を行った。 3.結果:平成4年10月9日の洪水時に計測を行い洪水上昇時および減水時に二回の計測を行った。 (1)洪水の上昇時には河川流の乱れは激しく、流速の強い垂直変動が観察されるビデオの同時撮影により、これがボイルと呼ばれる現象を引き起こしていると結論される。 (2)これに反し、減水時には同じ流速であっても乱流運動は穏やかとなってしまう。 (3)実河川のような流路幅・流速の大きい、したがってレイノルズ数もきわめて大きい流れにおいても、実験室規模の実験で見出された乱れの大規模構造が確認された。 (4)土砂濃度変動についてMASCON法の拡張を試み、シミュレーション・データにより有効性を確かめた。ただし、実測は土砂濃度が極度に高く一様化していたため不可能であった。
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