研究課題/領域番号 |
03555122
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 賢二 東京大学, 工学部, 教授 (40107529)
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研究分担者 |
宮 晶子 荏原総合研究所, 環境研, 主任研究員
山本 和夫 東京大学, 工学部, 助教授 (60143393)
大垣 眞一郎 東京大学, 工学部, 教授 (20005549)
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キーワード | 水循環再生利用 / 複合高度処理 / 紫外線照射 / 膜分離 / 活性炭 / 生物活性炭 / オゾン処理 / 吸着プロセス |
研究概要 |
本年度は、まず複合システムの構成要素となる処理プロセスの特性及びいくつかの複合システムについて実験的検討を行った。 研究成果の概要は以下の通である。(1)紫外線照射を中心とした複合システムに関して、中圧紫外線照射装置のウィルス不活化効果を評価する上で、大腸菌ファ-ジQβは殺菌に有効な紫外線線量を正確に測定するのに効果的な生物指標となることがわかってきた。また、オゾン処理によるウィルス不活化の効果を実験的に調べた。今後、その併用による効果の評価を行っていく。(2)膜分離を中心にした複合システムに関して、限外濾過、精密濾過膜の濾過特性を生下水・活性汚泥に対して調べ、濾過がケ-クゲル層により支配されていることを明らかにした。そのために、大腸菌ファ-ジQβの排除率が、精密濾過膜を使用しても十分高い結果が得られた。(3)膜分離バイオリアクタの導入により、有機物・SSの除去はもちろんのこと、間欠曝気により90%以上の窒素除去率を達成できた。この処理プロセスはオンサイトの小規模高度処理システムに向いていると考えられる。また現在、膜処理後のリン除去を主目的とした吸着プロセスの組合せを検討している。小規模システムの水循環に際して、精密濾過膜を中心としたシステムの適用可能性を今後更に検討していく必要がある。(4)地区循環や広域循環及び親水空間のための下水処理水の再生利用という観点から、下水2次処理水の紫外線消毒や微量有機物の生物活性炭による吸着特性、分解特性を実験的に検討している。今後複合システムとして膜処理との組合せも検討していく。また、光合成微生物の利用も今後の検討課題である。
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