研究分担者 |
清水 洽 (株)クボタ, 上下水プラント事業部, 部長
藤本 忠生 (株)クボタ, 環境施設事業本部, 取締役事業部長
野池 達也 東北大学, 工学部, 教授 (90005398)
小松 俊哉 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (10234874)
原田 秀樹 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (70134971)
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研究概要 |
平成4年度は室内実験により,溶融スラグの強度発現機構及び化学的耐久性について検討した。実験結果は以下の通りである。 1.溶融スラグは融液の冷却方法及び供試廃棄物(下水汚泥,都市ゴミ焼却灰)の性状によってガラス質から結晶質まで変化する。一般に結晶質スラグの方が,曲ゲ強度,ビッカーズ硬度は高い。 2.供試廃棄物の調質によって結晶質スラグを作成する場合,核形成剤となるFe_2O_3含有量が20%以上になると,融液の冷却方法が水冷であっても結晶化が進行する。また,供試廃棄物中のFe_2O_3含有量が10%以下であっても,CaO含有量が高くなると結晶化は進行する。 3.結晶質スラグの強度は折出結晶鉱物中のSiO_2含有量に左右される。CaO含有量が多い廃棄物は結晶化しやすいが,強度は弱い。従って,スラグの強度を高めるには,廃棄物中のSiO_2を結晶鉱物中に折出させねばならない。 4.スラグの化学的耐久性の向上には,スラグの結晶化が極めて有効である。また,結晶質の方がガラス質に対し重金属類の溶出に安全である。 一方,環境条件としては,ガラスは酸に強いと云われているが,結晶質スラグは強アルカリには強いが,強酸性(PH=1以下)には弱い事が判明した。 また,パイロットプラント実験で得た水砕スラグを用い,スラグの再資源化について,骨材としての利用を検討した。 インターロッキングブロック,透水性板,雨水まずとしての利用は非常に有効であった。
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