研究分担者 |
伊藤 重剛 熊本大学, 工学部, 講師 (50159878)
位寄 和久 建設省, 建築研究所, 主任研究員
川床 睦夫 財団法人中近東文化センター, 主任研究員
堀内 清治 熊本工業大学, 教授 (70040350)
木島 安史 千葉大学, 工学部, 教授 (90040427)
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研究概要 |
1.現場サブシステム利用を前提に,発掘の手順を検討しマニュアルを作成した。5mグリッド数区画を1単位とする隣接の発掘区を2つ設定し,交互に10cmずつ水平に掘下げながら次の作業を並行して進める:(1)遺物のコ-ド化,座標計測,取り上げ(2)発掘面における遺構の形状計測(3)層位境界線の位置確認,コ-ド化,座標計測(4)検索システム用写真の撮影。(5)ケ-ブル吊りカメラによる発掘面の写真撮影(テクスチュアマッピング及び別途詳細実測図作成)。また完掘後に遺構の立面および発掘区周囲の層位断面写真を撮影。アル・トゥ-ル遺跡7次調査(91年夏)と8次調査(同冬)で試験運用し詳細を検討した。発掘面を20cmづつ下げる等,発掘速度と記録の精度の調整が課題となっている。 2.光波測距儀による計測デ-タを基に,携帯パソコンを用いて,発掘現場の平面図,断面図,鳥瞰図(遺物の出土位置分布および遺構の三次元形状)などを編集出力するシステムを構築し,上述の調査で試験運用した。鳥瞰図については2日遅れ,他の図面については即日処理し,毎日の隊員会議資料として提出できるようになった。考古学者からは,現場の全体像把握や遺物の発掘位置確認が容易になり,室内作業の研究者も含めた情報交換や合意形成スム-ズになったとの評価を得た。三次元形状編集機能の強化が次年度の課題である。 3.パ-ソナルコンピュ-タを用いて,現場サブシステムから出力した遺構の三次元モデルに現場で撮影した写真を合成する試験を行い,実験室サブシステム開発の基礎技術を検討した。一方,超高速三次元ワ-クステ-ションを購入し,写真合成のための基本プログラム構築に取り組んでいる。写真検索システムについても,専用プログラムを開発し,7次調査を事例に試験システムを構築した。比較的廉価な機器だけで利用でき,発掘作業の簡便な追体験システムとして効果的である。
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