研究課題/領域番号 |
03555135
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
江原 幸雄 九州大学, 工学部, 教授 (10002346)
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研究分担者 |
林 正基 水力技術(株), 設計担当
近藤 武志 三菱重工(株), 長崎造船所, 係長
吉田 孝男 鹿島建設(株), 技術研究所, 主管研究員
児玉 好雄 長崎大学, 工学部, 教授 (00037938)
茂木 透 九州大学, 工学部, 助手 (80182161)
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キーワード | 火山発電 / 火山噴気 / 火山エネルギー / 熱抽出 / 地熱開発 / 材料 / 腐食 / 蒸気発電 |
研究概要 |
九重火山・九重硫黄山噴気地域に掘削されたボーリング孔から噴出する火山性流体(温度233℃の過熱蒸気)を利用して,各種合金の発電用材料の長期腐食試験【単純暴露試験(在来型14鋼種の17種類および最近開発された硫化腐食に強いとされるAl-Mo合金)および応力腐食割れ試験(11鋼種の14種類)】を開始し、1993年2月現在8カ月を経ている。途中1度、試料を取り出し、肉眼観察を行ったが、腐食性ガスに長期間さらされているが、腐食の進行状況は通常の地熱蒸気と大きくは変わらないようであり、当初心配された急速な腐食は発生しておらず、火山ガスを多量に含む火山熱貯留層からの蒸気利用は材料工学的には大きな障害にならない可能性がでてきた。ただ過熱蒸気の凝縮水は強酸性であり、発電装置を通過する蒸気が、凝縮しないような工夫は是非とも必要である。 前年度に製作した火山噴気利用1kW級反復流動型蒸気タービン発電装置は最大250Wの電気出力であったが、同一タービンを使用する限り、これ以上の出力アップは困難であった。発電装置の改良および使用状況の検討に資するため、この発電装置から出される騒音と振動を測定した。その結果、装置から発生する騒音の主たるものは蒸気タービンであること、反流室が4段のものは2段に比較して、騒音が高いことなどが明らかになった。この原因として、反流室の設計が羽根車に適合していないため、反流室から出た流れが翼に流入する際に流入角が増大し、翼面の境界層が増加することが考えられた。これらのことも考慮に入れて、タービン径の変更、蒸気の導入法、蒸気溜りの付加、ノズル形状の改良等を重ね、1993年2月現在、最高650Wにまで改善することができた。タービン径を増加させることにより、この方式で10kW程度までの出力が可能という見通しが立てられた。
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