研究課題/領域番号 |
03555137
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
金子 勝比古 熊本大学, 工学部, 助教授 (20128268)
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研究分担者 |
山内 清 (株)トーキン, 仙台研究所, 副部長
平田 篤夫 西松建設(株), 技術研究所, 係長
尾原 祐三 熊本大学, 工学部, 助教授 (50135315)
高島 和希 熊本大学, 工学部, 助教授 (60163193)
西田 稔 熊本大学, 工学部, 助教授 (90183540)
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キーワード | 岩石破砕 / 無発破破砕工法 / コンクリ-ト破砕 / 形状記憶合金 / チタンニッケル合金 / 可逆形状記憶効果 |
研究概要 |
可逆形状記憶効果を発現させるための最適な組成熱処理条件を明らかにするために、まず、組成熱処理の異なる21種類のTiNi合金の変態特性、一方向形状記憶特性を実験的に検討した。ただし、組成は、Ti-50.2Ni,Ti-50.5Ni,Ti-50.8Niの三種類、熱処理は溶体化処理(1条件)、時効処理(3条件)、加工熱処理(3条件)の7種類である。これらの合金試料について、走査示差熱分析、‐80〜+80℃の温度範囲での一軸圧縮試験を実施し、これらの基礎デ-タをもとに一方向形状記憶特性の実験を行った。その結果、高Ni濃度の合金の回復力が大きく、特に、Ti-50.8Ni時効処理材にMs点近傍で与圧縮を与えた場合、その一方向回復応力は1GPa以上となることが見い出された。この値は従来までの最高応力600MPaを大きく上回る。そこで、次に、Ti-50.5〜50.8Ni加工熱処理材、時効処理材を中心として、過剰圧縮変形法による可逆形状記憶処理法に関する実験的検討を行い、Ti-50.5Niにオ-ステナイト状態で過剰圧縮変形を与えた場合に良好な可逆記憶特性が得られることが明かとなった。そこで、この組成および処理法で可逆形状記憶合金を試作するとともに、この合金を用いた岩石破砕実験を行った。その結果、30cm角のモルタル供試体では加熱後10秒以内で破断することが確かめられた。 また、新たにBEMによる亀裂の非線形伸長解析プログラムを開発し、これにより、亀裂の静的伸長過程がシミュレ-トされることを明らかにするとともに、亀裂先端領域のプロセスゾ-ンの存在が静的破砕過程に大きな影響を与えることを明かにした。さらに、数値実験により小割破砕および亀裂連結に関する破砕設計式を提案した。
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