1.現在、世界的に利用されているF.C.Bondの粉砕仕事指数Wiを測定するには、時間と労力と多量の試料(10kg)を必要とする。しかし、本研究で確立した迅速・精密粉砕試験法に従えば、僅か5gで物質の粉砕性が定量的に把握でき、しかもこの粉砕性指数aからWiを算出できることが明らかとなった。この関係式は次のようである。 Wi=14.57(/)a┣D10.49┫D1┫D1┣D7 2.上式を用いて高純度鉱物47種、合成物質3種、計50物質のWi(kWh/t)を算出した。これだけ多種の物質のWiが提示されたのは、世界で初めてである。その1例を示すと、方鉛鉱5.30、石膏6.44、黄銅鉱7.78、閃亜鉛鉱8.84、針鉄鉱9.02、赤鉄鉱10.64、コロンバイト10.89、黄鉄鉱11.43、白鉛鉱12.86、輝銅鉱13.78、輝水鉛鉱14.64、石墨15.96、クロム鉄鉱16.35、尖晶石17.23、磁硫鉄鉱18.87、コランダム19.36、ジルコン23.11、硫ひ鉄鉱24.72等である。Wiの大きい物質ほど砕けにくいこと、つまり粉砕に要するエネルギーが大きいことを意味する。 3.硬度は物質の粉砕性にある程度影響を及ぼすが、両者の相関度はそれほど高いとはいえない。物質の粉砕性に影響を及ぼす要因として、そのほか脆性、へき開性等も無視できぬものであることが、本研究により明確にされた。
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