研究課題/領域番号 |
03555140
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水谷 宇一郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (00072679)
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研究分担者 |
古谷野 有 名古屋大学, 工学部, 助手 (00215419)
福永 俊晴 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60142072)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | アモルファス / デスク・トップ型スパッタ装置 / 金属-半導体相転移 |
研究概要 |
この2年間に得た成果を以下にまとめる。 1.デスク・トップ型直流超高速スパッタ装置を独自のコンセプトのもとに設計し試作した。ターゲットはわずか直径30mmとし、大学の研究室にあるアーク熔解装置で簡単に作製出来るようにしたことと、0.5mmに達する厚膜を連続自動運転により3日以内で作れるようにしたことである。この装置はプロジェクトの1年目終了の時点で完成した。 2.1992年度(平成4年度)の研究は完成したスパッタ装置の性能テストから開始した。種々の調整を繰り返した後、初期の目標と要求を全て満たすレベルまで装置をもってくることに成功した。 3.この新しく試作した装置を用いて0.3mm厚のV_<50>Si_<50>アモルファス厚膜を作ることが出来た。この原子構造をX線及び中性子線回折で調べている。またその結果の信頼性をチェックするためメカニカルアロイング法で合成した試料について得られた結果と比較している。電気抵抗や低温比熱の測定も開始し、現在データが蓄積されつつある。 4.金属-半導体相転移近傍におけるアモルファス及び準結晶の電子輸送機構を研究した。電子拡散係数Dと、フェルミ準位における状態密度の自由電子値に対する比を表わすg値を使って、これまでのデータを矛盾なく説明することが出来た。この研究を通じて金属-半導体相転移近傍における原子構造と電子構造のさちなる蓄積が急務であることが認識された。本研究で新しく試作したスパッタ装置はこれら基礎データを生み出すことを約束していると信じている。
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