研究課題/領域番号 |
03555141
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大森 康男 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (20006026)
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研究分担者 |
杉山 健 (株)神戸製鋼所, 鉄鋼技術研究所, 主任研究員
稲葉 晋一 (株)神戸製鋼所, 鉄鋼技術研究所, 室長
葛西 栄輝 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (50134044)
井上 博文 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (70006039)
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キーワード | 焼結鉱 / コークス燃焼 / 窒素酸化物 / 水蒸気濃度 / 鉄鉱石 / 赤外分光分析 |
研究概要 |
本研究では、平成3年度に購入し、本年度において本実験に、より適用性を高めるための改良を加えた極微量ガス成分分析計を使用し、コークスなどの炭材粒子燃焼過程における各種の窒素酸化物(NO,NO_2,N_2O)の発生メカニズムおよび発生量の低減に関する以下の検討を行った。 (1)各種の窒素酸化物発生量に対する導入空気中の水蒸気濃度の影響 燃焼用乾燥空気に精密定量ポンプを使用して所定量の蒸留水を混合することによって、水蒸気濃度を変化させた燃焼実験を行った。その結果、空気中水蒸気量の増加と共にNO,N_2Oの発生量が増加し、NO_2が若干減少すること、NOx(NO+NO_2)としては、増加することを明らかにした。これは、夏場の高湿度期に、鉄鉱石焼結プロセスなどから発生するNOxが増加する傾向と一到するため、水蒸気濃度の制御が重要であることを示している。 (2)石炭および鉄鉱石を原料とするコークスの試作とその燃焼実験 本研究代表者らの従来の研究により、炭材燃焼により発生したNOは、近傍にある鉄の低級酸化物により容易に還元される可能性が明らかになっている。ここでは、それを工業的な規模で実現するために、コークスの原料である石炭に対し、数%程度の鉄鉱石粉を混合したコークスの作製を試みた。作製したコークス試料には、予測通り、鉄鉱石の還元により生成したマグネタイトなど鉄の低級酸化物や、金属鉄、セメンタイトなど、より還元能の高い物質が50〜100μm程度の大きさで点在していることが認められた。このようなコークス試料の燃焼において発生するNOx量は、鉄鉱石を混入しない場合に比較して、20〜50%程度低減することを確認した。
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