研究課題/領域番号 |
03555145
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
飯田 孝道 大阪大学, 工学部, 教授 (70029247)
|
研究分担者 |
吉原 正裕 住友金属工業株式会社, 鉄鋼技術研, 主任研究員
田中 敏宏 大阪大学, 工学部, 助手 (10179773)
喜多 善史 大阪大学, 工学部, 助手 (80029115)
片山 巖 大阪大学, 工学部, 助教授 (10029192)
|
キーワード | 振動片粘度計 / 高温液体用粘度標準値 |
研究概要 |
本年度は、高温液体用粘度標準物質の粘度を高精度で測定するために新しく開発した振動片粘度計の基本的特性を検討した。本装置では振動駆動部に工業用加振機を用い、この加振機と振動片を、高精度の正弦波振動が得られるように設計した、りん青銅製の板ばねを通じて接続した。また、本研究では振動片の振動振幅を本申請により購入した光学式変位計およびレ-ザ-変位計を用いて測定した。本申請により購入した各種計測器、パ-ソナルコンピュ-タを上記振動駆動部ならびに測定部に接続し、瞬間的かつ連続的に粘度を高精度で測定できるシステムを開発した。本研究では、まず、目的とする高温液体用粘度標準値に対応する粘度範囲の各種JIS規格の常温校正用粘度標準液を用いて、本振動片粘度計の特性について検討を行った。特に、1)空気中と液体中の共振周波数の変化に及ぼす板ばねの厚さの影響、2)振動振幅の減衰に及ぼす試料容器壁からの反射波、ならびに3)振動片の厚さの影響、について実験的検討を加えた。その結果、本研究で目的としている粘度範囲において、イ)板ばねの厚さを適当に選択すれば、空気中と液体中の共振周波数の変化は3%程度の差にすることができる。2)本研究で用いた振動片によって、各液体中で生じる波の1波長以上の距離に振動片を試料容器壁から離して設置すれば、振動振幅の減衰に及ぼす反射波の影響は無視できる。3)振動片の厚さの影響は高粘度液体ほど大きいことなとが明らかとなった。以上の実験的検討結果を考慮して、より高精度で粘度値を求めるための、粘度と振動振幅の減衰量との関係について理論的に裏付けされた実験式を得た。さらに高温用粘度標準液として選択されている。Sio_2、Al_2O_3、Li_2Oを主成分とする酸化物融体の粘度を1300〜1400℃の温度範囲において測定した。高温融体の粘度測定については、次年度さらに詳細な検討を行う予定である。
|