研究分担者 |
堀川 宏 古河電気工業(株), 研究開発本部・横浜研究所, 研究員
鈴木 雄一 古河電気工業(株), 研究開発本部・横浜研究所, 主席研究員
貝沼 亮介 東北大学, 工学部, 助手 (20202004)
西沢 泰二 東北大学, 工学部, 教授 (60005212)
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研究概要 |
L2_1構造を有するいわゆるホイスラ-合金は,通常きわめて脆いとされていたが,本研究で取り上げたCu-Mn-Al系では,化学量論組成からはずれた場合に限り,きわめて加工性に富むことが,予備試験の結果わかっているので,本年度は,特にホイスラ-相の安定性とそれに伴う合金の機械的性質の変化について調べ,次の結果を得た. 1,Cu-Mn-Al3元系のCu側の領域における相平衡を調べ,fcc相,bcc相及びγ相(γ黄銅型結晶構造)間の相平衡を明確にした.その結果,Mnの添加量が増加するに従ってbcc相の存在する組成領域が広がり,fcc相やγ相の存在領域は狭くなることがわかった.また,bcc相におけるA2→B2→L2_1の段階の規則-不規則変態について,示差熱分析により正確な変態温度を求めた.その結果,これらの規則変態温度は,Al組成の変化にきわめて敏感なのに較べ,Mn組成による影響が小さいことが明らかになった. 2,ホイスラ-相の熱間加工性は,規則化温度と密接な関係があり,融点と規則化温度の差が200℃以上にある時に容易が熱間圧延できた. 3,Cu-Mu-Al系の種々の組成をもつ合金について,冷間加工及び引張試験を行い,これらの機械的性質とその規則変態温度との相関を調べた.その結果,B2→L2_1変態点が低いホイスラ-合金は,強度も高く,良好な靭性を有し,既存の強力銅合金よりも機械的性質に優れる事がわかった.
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