研究課題/領域番号 |
03555151
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石田 清仁 東北大学, 工学部, 教授 (20151368)
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研究分担者 |
堀川 宏 古河電気工業(株), 研究開発本部横浜研究所, 研究員
鈴木 雄一 古河電気工業(株), 研究開発本部横浜研究所, 材料基礎研究室長
貝沼 亮介 東北大学, 工学部, 助手 (20202004)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | Cu-Mn-Al合金 / ホイスラ-合金 / 規則-不規則変態 / 機械的性質 / 状態図 / 金属間化合物 / 高力銅合金 / 加工性 |
研究概要 |
磁性材料として有名なL2_1結晶構造を有するホイスラ-型の金属間化合物(Cu_2MnAl)は、きわめて脆いとされてきたが、構造用材料としての可能性を追及し、延性に富む高強度Cu-Al-Mn基合金の開発を目的として研究を行い、以下のような成果を得た。 (1)Cu-Al-Mn3元系状態図の決定:550℃、600℃、700℃、800℃の各温度についてα、β、γ間の状態図を決定した。その結果、Mnの添加は、β相を強力に安定化することが分かった。 (2)β相内の規則-不規則変態温度:β相内のA2→B2→L2_1各相への規則-不規則変態温度は、主にAl濃度に強く依存し、高Al濃度ほど変態点が高い。 (3)機械的性質:化学量論組成のCu_2MnAl合金は、非常に脆く、かつ強度も低いが、非化学量論組成の合金は、極めて優れた機械的性質を有していた。非化学量論組成の合金強度は、高Al濃度のものほど大きく、逆に延性は、Al濃度が低いほど優れている。また、低温で時効を行った試料には、延性の著しく低下したものがみられた。Cu-Al-Mn系の組成と熱処理を制御することによって0.2%耐力500〜750MPa、引張強度700〜1010MPa、伸び3〜21%の高強度、高靭性を有する合金が得られた。 (4)機械的性質と組織:(3)に述べた機械的特性の変化は、合金の規則-不規則変態温度とスピノ-ダル分解の有無によって説明できる。 (5)化学量論Cu_2MnAl合金の脆化と低強度:本合金のすべり線をTEMによりトレース解析したところ、化学量論組成合金では{110}〈111〉が、非化学量論組成合金では{112}〈111〉が、頻繁に観察された。以上より、化学量論組成Cu_2MnAl合金の脆化と低強度は、すべり系がその大きな影響を与えていると考えられる。
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