研究課題
試験研究(B)
化学量論組成に近い組成を持ったTiAlのpolysynthetically twinned crystals(PST結晶)を育成し、その常温における冷間圧延を行った。破壊せずに圧延できる程度(圧下率)は、圧延面と圧延方向に対するラメラ組織の方位に依存するが、ラメラ境界に沿ってせん断変形が起こる場合には、50%もの圧延圧下を達成できる。圧延圧下率の向上をはかるため、冷間圧延したPST TiAlの再結晶過程とそのメカニズムについても研究した。その結果、圧延によって増大した硬度の回復は、転位が主として消滅する第1段階と変形双晶が消滅する第2段階にわたって起こることが判明した。圧延圧下率が、20%以下ではラメラ組織が保存されたまま回復・再結晶が完了するため、中間焼鈍を繰り返しつつ圧延をつづけることが可能である。また、この特異な再結晶過程を説明し得るメカニズムを提案した。本研究の後半になり、PST TiAlに環境脆化が起こり得ることが明らかになり、合金元素添加により、この環境脆化を抑制することを試みた。その結果、Cr、Mo、VあるいはMnの添加により環境脆化が抑制され得ることが明らかとなった。特に、Cr添加が有効であり、極く最近、我々は、Cr添加PST TiAlが、2元のPST TiAlよりはるかに容易に50%まで圧延できることを確認した。
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