研究課題/領域番号 |
03555157
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新原 晧一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40005939)
|
研究分担者 |
佐々木 博 三菱マテリアルセメント研究所, 副部長
関野 徹 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20226658)
中平 敦 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90172387)
田中 功 京都大学, 工学部, 助手 (70183861)
上田 智 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (20029870)
|
キーワード | ナノ複合材料 / ナノコンポジット / 複合材料 / 高温強度 / 破壊靭性 / 窒化珪素 / アルミナ / サイアロン |
研究概要 |
Al_2O_3、MgO、Si_3N_4、サイアロンをマトリックスとするセラミックスの結晶粒内や粒界にナノ寸法のSiC等を分散したナノ複合材料を焼結法で作製し、高温下での各種機械的特性を調べた結果、以下の点が明らかになった。 (1)Al_2O_3/SiCナノ複合材料の1200〜1400℃における高温曲げ及び引張りクリープは、SiCを5vol%分散するだけで単相のAl_2O_3に比較し、3〜4桁も改善されることが明らかになった。この驚異的なクリープ抵抗の改善は、主として粒界に存在するSiCナノ粒子により粒界のすべりが抑制される為であることが判明した。 (2)ナノ寸法のSiCを30vol%分散させたSi_3N_4/SiCナノ複合体の高温強度は1400℃の高温まで劣化せず、また1400℃、200MPaでの引張りクリープは単相のSi_3N_4に比較し2桁以上も改善されることが明らかになり、その改善の機構を明らかにした。この事実は、本ナノ複合材料が高効率ガスタービンの材料として充分に実用化が可能であることを示している。 (3)サイアロン/SiCナノ複合材料を更に長繊維で強化することにより、1500℃の高温まで1000MPa以上の高強度を保持しながら、金属材料に匹敵する靭性20〜25MPam^<1/2>を示す材料の開発に成功した。更に、この材料でガスタービンのシュラウド等の部品の試作に成功した。 (4)Al_2O_3/SiCナノ複合材料の切削性能を測定した結果、単相材料と比較し2桁も性能が優れており、実用化が充分に可能であることが明らかになった。この優れた切削性能は、Al_2O_3粒内に存在するSiCナノ粒子により高温でさえ粒内破壊が誘起される為であることが明らかになった (5)また、ナノ複合化により強度や高温特性が飛躍的に改善される機構を、10種類以上のナノ複合材料に関して調べ、その機構を明らかにした。
|