研究課題/領域番号 |
03555169
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
相澤 益男 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (00016742)
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研究分担者 |
森岡 聰 三菱化成(株)総合研究所, 部長研究員
小畠 英理 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (00225484)
碇山 義人 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (10202847)
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キーワード | 電気制御培養 / インテリジェントバイオリアクター / CEA / MKN45 / ハイブリドーマ / カーボン繊維 / スポンジ状カーボン |
研究概要 |
本研究は、酵素や細胞などの生体触媒の活性を電気制御できるインテリジェントバイオリアクターの開発を目的としている。 本年度は、動物細胞による特定タンパク質の生産を行うための電気制御可能なインテリジェントバイオリアクターを設計・試作した。 (1)胎児性腫瘍抗原(CEA)を特異的に生産する動物細胞MKN45を対象として、バイオリアクターに使用する培養担体の選択、培養担体への電位印加システムの設計、バイオリアクター本体、および生産物の回収プロセスの設計を行った。電位印加できる導電性の培養担体としてカーボン繊維ブロックを選定し、細胞の付養性、細胞増殖におよぼす効果などを検討した。その結果、カーボン繊維ブロックが優れた培養担体であることが明らかとなった。次いでこの培養担体を作用電極とし、白金ホイルを対極に、銀/塩化銀電極を参照電極としたバイオリアクターを設計した。バイオリアクターは連続フローシステムとし、培養担体の電位印加はポテンシオスタットによって行えるシステムとした。以上の諸検討にもとづき、電気制御可能なインテリジェントバイオリアクターを試作した。さらにこのバイオリアクターで、MKM45の電気制御培養と、CEAの電気制御生産の基本的特性を解析した。 (2)サスペンション培養系のハイブリドーマについても連続フローシステム方式のインテリジェントバイオリアクターを構築するための基礎的検討を行った。諸種の培養担体におけるハイブリドーマの増殖特性を検討した結果、スポンジ状カーボン繊維がハイブリドーマを固定化して培養するのに好適な担体であることを見い出した。すなわちサスペンション培養系についても、電気制御できるインテリジェントバイオリアクターを実現できる見通しが得られた。
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