研究課題/領域番号 |
03555172
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学・複合材料
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
今村 詮 広島大学, 理学部, 教授 (70076991)
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研究分担者 |
河野 雄次 中国化薬株式会社, 技術開発部, 研究員
青木 百合子 広島大学, 理学部, 助手 (10211690)
KOHNO Y Chugoku Kayaku Co.Div.of Engineering Research Researcher
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | クラスター / S-SCF法 / 結晶中の分子物性 / 圧電性 / Elongation法 / MOPAC / 局所状態密度 / 電子のホッピング |
研究概要 |
われわれは、高分子の物理化学的性質の総合的連関的予測をするため、クラスターレベルの計算と、高分子とくに非周期性を含む高分子の電子状態計算プログラムの作成をおこなった。前者のクラスターレベルの計算においては、結晶中あるいは高分子中のモノマーの性質をうまく取り出す方法を考えた。すなわち、系に含まれている分子を環境分子と中心分子に分け、環境分子の性質は固定して、中心分子の電子状態をSCF法で計算するのである。そして、SCF計算が収れんしたときはその得られた中心分子をそのまま環境分子にうつし、同じ計算を繰り返し、中心分子と環境分子が一致するまで繰り返すのである。この方法をわれわれはS-SCF法(Structural SCF法)と名付けた。この方法により、圧力下における分子の構造、双極子モーメント(圧電性)がうまく求まることを見い出している。 他は、非周期性高分子の電子状態を計算するためのElongation法のプログラムの作成である。現在、拡張ヒュッケル法は完成し、また今年度MOPACとの結合にも成功し、MNDO法、AM1法、PM3法などで計算できるようになった。さらに現在Ab initio法をGaussianプログラムを取り込んで進めており、途中段階ではあるが、かなりよい見通しを得つつある。このElongation法によって、非周期性高分子の局所状態密度を計算できるようにしており、現在そのプログラムを用いて、ポリアセチレンの鎖間の電子のホッピングするサイトが予測できることを示している。このような研究は、擬一次元電気伝導体の電気伝導機構解明に対する強力なアプローチになると考えられる。
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