研究分担者 |
前田 豊広 大阪ガス株式会社, 開発研究所, 課長
岡崎 博 新日鉄化学株式会社, 技術研究所, 部長研究員
坂西 欣也 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (60183365)
光来 要三 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (50122693)
河野 静夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (10038581)
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研究概要 |
本研究は、コ-ルタ-ル中に含有される多環芳香族炭化水素,含硫黄含窒素芳香族化合物などの有用成分の分離精製のみならず,工業原料として利用価値の高い三、四、五環性部分水素化芳香族化合物等の有用化合物の選択反応を利用したつくり込みにより有用成分の高度利用が可能になると同時に、分離精製条件の設定範囲を拡大することが可能であるとの考えに基づいて新しいタイプの高効率分離法の開発を目的としている。 本年度は、主として三、四、五環性部分水素化芳香族化合物,ジベンヅチオフェン,カルバゾ-ル,アクリジン等の含硫黄、含窒素化合物を目的化合物とするコ-ルタ-ル中の有用成分の濃縮あるいは特定有用成分の選択反応によるつくり込みを検討した。 1)コ-ルタ-ル中に含有される四環性のピレン,フルオランテンをNi-No触媒を用いて部分水素化し、水素供与性溶剤,耐熱性ポリマ-原料、炭素液晶材料として有用なジヒドロ体及びテトラヒドロ体を、高選択率・高収率で合成することができた。 2)シリカゲル担持金属硫酸塩を用いるコ-ルタ-ルピッチの脱窒素吸着処理により、塩基性のアクリジン誘導体と非塩基性のカルバゾ-ル誘導体を分別し、高度に脱窒素精製されたニ-ドルコ-クス製造用の良質原料を調製することができた。 3)メタノ-ルを用いる抽出と引き続くヘキサン析出によって、コ-ルタ-ル中のフェノ-ル類、ピロ-ル類を濃縮分離することができた。このような溶媒抽出の組み合せは、目的生成物を高度に分離できる可能性を有するとともに、超臨界抽出に用いる極性溶媒を一成分とする混合溶媒の探索試験として有用である。
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