研究課題/領域番号 |
03555173
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
持田 勲 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (20037758)
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研究分担者 |
前田 豊広 大阪ガス株式会社, 開発研究所, 課長
岡崎 博 新日鉄化学株式会社, 技術研究所, 部長研究員
坂西 欣也 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (60183365)
河野 静夫 九州大学, 機能物質科学研究所, 講師 (10038581)
光来 要三 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (50122693)
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キーワード | コールタール / ナフタリン / キノリン油 / メチルナフタリン油 / アントラセン油 / 金属硫酸塩 |
研究概要 |
本研究は、コールタール中に含有される多環芳香族炭化水素、含硫黄、含窒素芳香族化合物などの有用成分を分離精製するだけでなく、化学工業原料として利用価値の高い2〜5環性部分水素化芳香族化合物等の有用化合物の選択反応を利用したつくり込みにより有用成分の高度利用を可能にし、分離精製条件の設定範囲を拡大できるとの考えに基づいて、新しいタイプの高効率分離精製法を開発することを目的としている。 本年度は、ナフタリン油,キノリン油,メチルナフタリン油ならびにアントラセン油を用いて、各留分に含まれる有用成分の濃縮分離を試み、次のような成果が得られた。 1)ナフタリン油に少量含まれ、かつ付加価値の高いベンゾチオフェン、インドールを、強酸性を有する金属硫酸塩を用いる吸着分離回収法により、高濃度に濃縮できる可能性を見い出した。目的化合物のオリゴメリゼーション反応を利用する反応・吸着分離法についても検討を進めている。 2)キノリン油中のキノリン,イソキノリンの物性(結晶性,塩基性)の差を利用して、各化合物の濃縮法を探索し、水素化による物性差の増大と固体酸吸着の組み合せが有用であることを明らかにした。 3)メチルナフタリン中の1-メチルナフタリンから2-メチルナフタリンへの異性化反応を、固体酸共存下の超臨界流体(炭酸ガス)条件下で促進できることを見い出した。 4)アントラセン油中のアクリジンを、金属硫酸塩固体酸による吸着濃縮と引き続く硫酸塩の結晶性の差による分別結晶により、分離濃縮できることを明らかにした。
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