研究課題/領域番号 |
03555174
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
小島 紀徳 成蹊大学, 工学部, 助教授 (10150286)
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研究分担者 |
上山 惟一 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (10092149)
上宮 成之 成蹊大学, 工学部, 助手 (60221800)
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キーワード | 流動層 / CVD / 粒子コーティング / 直流プラズマ / 炭化珪素 / マイクロ波プラズマ |
研究概要 |
直流熱プラズマジェット発生器を底部に組み込んだ流動層CVD反応器を試作し、SiCをアルミナ粒子(粒子径、250-500μm)上にコーティングすることを試みた。粒子の存在しない条件(空管)で反応を行い、反応器出口に設置したフィルターで補集した微粒子およびプラズマ近傍の折出物をX線回折と電子線マイクロアナライザーで分析した。その結果、微粒子ではSiCの回折線が認められたが、析出物は主としてSi(金属シリコン)とC(グラファイト)から成り立っていた。そこで、粒子存在下で同様に析出実験を行った。SiH_4が100%反応すると仮定したときCH_4反応率から求めたC/Siは4.6〜1.2であり、反応が進行していることが示唆された。膜厚は約300nmと極めて薄く、またX線回折、電子線マイクロアナライザーでSiCのみならず、SiやCの存在をも確認できなかった。次年度は、操作因子をかえて析出物量を大きくし、析出物の物性や収率との相関関係を詳細に検討する予定である。 マイクロ波プラズマを用いた流動層反応器を試作し、反応性ガスとしてCH_4を用いたときの転化反応およびプラズマ、減圧条件下における流動特性について異なる二種の粒子(アルミナ、多結晶シリコン)を用いて検討した。空管でCH_4の転化反応を行ない、プラズマガスの影響を検討した。CH_4反応率はほぼ100%であり、H_2を添加したときにはCH_4からC_2H_2への転化が抑制されることを見いだした。一方、粒子存在下では反応率が低下するものの、Cへ選択的に転化することがわかった。また、空管における最小流動化速度はこれまで報告されている計算式で求めた値と極めて一致したが、プラズマ条件下では計算値より小さくなった。これはプラズマエネルギーが一部熱として奪われ、層温度が上昇したためと考られれる。流動特性やプラズマの安定性は、プラズマガスの種類や粒子の誘導損失レベルに大きく依存することが確かめられた。
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