研究課題/領域番号 |
03555176
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
泉 有亮 名古屋大学, 工学部, 教授 (00115528)
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研究分担者 |
加藤 祥三 徳山曹達株式会社, つくば研究所, 主幹研究員
卜部 和夫 名古屋大学, 工学部, 助手 (60092540)
KATOH Shozo Tokuyama Soda Co.Ltd., Tsukuba Research Center, Senior Chief Researcher, Dr.
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 芳香族ニトロ化合物 / カルボニル化 / パラジウム / ヘテロポリ酸 / ウレタン合成 / イソシアナート合成 |
研究概要 |
パラジウム-ヘテロポリアニオン系触媒による芳香族ニトロ化合物の還元的カルボニル化プロセスについて試験研究し、下記の成果を得た。 1.触媒系の最適設計遷移金属触媒に対するKeggin型ヘテロポリアニオンの修飾効果を検討し、ウレタン合成については、ジメトキシエタンを溶媒とするPdC1_2-H_4PVMo_<11>O_<40>、イソシアナート合成については、アセトニトリルを溶媒とするPdCl_2-H_3PMo_<12>O_<40>が高活性で熱安定性の良い効率的な触媒系であり、公知の有機配位子を用いる触媒系に代替えし得る性能を示すことを見いだした。 2.触媒系のキャラクタリゼーション・反応機構・反応速度解析ヘテロポリアニオンの構造、酸化還元電位と触媒の活性・選択性・安定性・利用効率との関係、反応パラメータ(温度、一酸化炭素圧力、基質及び触媒濃度)の影響を調べ、3電子以上の還元を受けたヘテロポリアニオンがPd^<2+>を最も効果的に修飾すること、Pd^<2+>にCl^-とヘテロポリアニオンが配位した錯体が触媒活性種であるとことを明らかにし、反応速度解析を行って、プロセス設計の基本データを得た。 3.生成物分離・触媒回収ニトロベンゼンの還元的カルボニル化によるウレタン及びイソシアナート合成について生成物の分離と触媒の回収・再使用を検討し、触媒の回収・再使用は可能であることを確認した。 4.触媒系の不均一化ヘテロポリアニオンのアルカリ金属塩をベースとする不溶性触媒及び可溶性触媒の無機担体への固定化による不溶性触媒について検討した結果、いずれも十分な触媒活性を発現せず、触媒の多孔性化を含めて今後の研究課題であることを指摘した。
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