研究課題/領域番号 |
03555177
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
上野 禎夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70024297)
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研究分担者 |
田中 利男 帝人(株)生物医学第1研究所, 主席研究員
新井 和孝 日産化学工業(株)中央研究所, 部長
渡部 良彦 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (70220944)
融 健 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00163957)
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キーワード | プロスタグランジン / 2-アリル-2-シクロペンテノン / 脱シリルセレノ化反応 / 脱スタニルチオ化反応 / α-ケトビニルアニオン |
研究概要 |
心筋梗塞、脳卒中およびガンなどの成人病と密接に関係のある強い血小板凝集阻害作用、平滑筋弛緩作用のあるプロスタグランジン、強力な制ガン作用のあるプナグランジンに着目し、安価かつ短段階のこれらの化合物の合成中間体の製造法の開発を目的として本研究を行い、次の結果を得た。 1.プロスタグランジン関連化合物の製造中間体の合成研究 (1)2-フェニルセレノ(又は、2-フェニルチオ)-2-シクロペンテノンと有機スズリチウム、有機シリルリチウム、有機シリル銅試薬との組合せによって生じたエノラートをハロゲン化アリル化合物と反応させ、ついで、β-脱離による2-アリル-2-シクロペンテノンの効率的合成法について検討し、一連の反応が高収率で進行することがわかった。 (2)得られたアリル化体の立体は、シス体が主生成物として得られた、平衡条件での反応結果および、PM3法を用いる生成エネルギーの計算から、シス体がトランス体より熱力学的に安定であるという興味深い結果を得た。 (3)これらのアリル化体は、フッ化テトラブチルアンモニウムにより容易に2-アリル-2-シクロペンテノンへと変換する。また、トランス体がシス体より容易にβ-脱離することも判明した。 本研究により、プロスタグランジンの合成中間体製造法の基礎的研究結果を得ることが出来た。 2.プナグランジン合成関連研究 (1)キラルな(R)-4-(t-ブチルジメチルシリルオキシ)-2-フェニルセレノ-2-シクロペンテノン、トリブチルスズリチウムと各種アルデヒドとの三成分系の反応は良好に進行した。 (2)反応系中に、オキシドアニオンが生成するため、β-脱離反応が起こり、一挙に2-(1'-ヒドロキシアルキル)-2-シクロペンテノンが得られた。
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