研究課題/領域番号 |
03555179
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
近藤 寛樹 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (60038057)
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研究分担者 |
蔵重 淳 味の素(株), 中央研究所油脂研究所, 副部長
園元 謙二 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (10154717)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 有機溶媒系 / 酵素の化学修飾 / リパーゼ / 酵素機能変換 / 有機ケイ素化合物 / 立体選択的エステル化反応 / 無担体バイオリアクター / 充填層型リアクター |
研究概要 |
1.有用な触媒素子の開発 (1)酵素の化学修飾による機能変換:Pseudomonas由来の精製耐熱性リパーゼのTyr残基の化学修飾では、本酵素のリパーゼ活性は大きく低下したのに比べ、エステラーゼ活性はほとんど変化しなかった。この現象は本酵素1分子中15個あるTyr残基を少なくとも2個修飾した時にみられた。 (2)非天然型化合物の変換反応に有効な生体触媒の探索:2-トリメチルシリル(TMS)-1-プロパノール(A)、1-TMS-2-プロパノール(B)、1-TMS-1-プロパノール(C)の化合物をモデルとして選び、その光学分割を試みた。AとBはβ位に水酸基を持つので、5-フェニル吉草酸とのエステル化において、化学触媒を使用すると容易にβ脱離を起こしエステル化が困難だが、加水分解酵素を用いれば容易にエステル化でき、しかも、BはPseudomonas sp.由来のリポプロテインリパーゼType A(東洋紡)により効率よく光学分割できた。また、Cは立体障害が大きくなるため、反応は遅いが、酵素の立体選択性は向上した。 2.独創的な"無担体バイオリアクター"の開発 酵母由来のリパーゼ0F360を使用し、dl-2-(4-クロロフェノキシ)プロピオン酸及びミリスチルアルコールを含む水飽和四塩化炭素-イソオクタン(8:2)中、30℃で立体選択的エステル化反応を行った。酵素粉末をそのまま回分反応に用いると高い立体選択性を保ちつつ、セライト吸着酵素に対して3倍の反応速度を示した。そこで酵素粉末10gをガラスカラムに詰めた充填層型リアクターを調製し連続反応を行ったところ、吸着酵素に比べてベット体積が半分で流速を2倍にすることができ、システム当リ4倍の生産性が得られた。さらに大流速で基質溶液を流す半連続生産システムは高生産性・高立体選択性を持つ無担体バイオリアクターを与えた。
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