研究概要 |
1.ニワトリ卵白リゾチ-ム(Lyzm)を用いて先ずunfoldingとrefoldingの全般的条件を検討した。その結果,4つのS-S結合を保持したままのIntact Lyzmについては,6M Guanidinium Chlovide(GdnHCl)または8M Ureaで処理したものともに,単なる希釈操作でほぼ100%refoldすることが分った。(Chem.&Pharm.Bull,1992)そこで今後はすべてのS-S結合を還元開製したTotally rednced and unfolded Lyzmを出発原料とすることとした。これならば構造的に入手困難なNucleaseの代替の役目を果せると思われる。 2.全還元Lyzmのrefolding実験は38℃,〔Reduced Lyzm〕=10〜200μMで実施した。現時点までに酵素活性でみてNativeの95%に達するrefolding収率を得ている。この実験からつぎの4因子がrefoldingの急所と思われた。(1)Low conc.of protein:Refoldingできなかったタンパク質はaggregateして沈殿となると考えられ,事実活性低下とaggregatesの生成量は熱変性では比例していた。それ故〔Lyzm〕が低いことがrefoldingに有利に働く訳である。(2)Loose folding:Refoldさせるための希釈液を2MUrea水溶液とし,ゆるくfoldingさせる。これはLyzm分子間のaggregationを抑制すると共に,(3)Low temperatureにすることによって,molten globule状態の多形の中から最低エネルギ状態のcorrect folding状態を有利に導くために重要である。(4)Delayed oxidation:4つのS-S結合を再酸化する際,foldingを先行させるのが良い。事実そのような効果でrefold収率を10%程度上昇できた。 3.N未固定,C未固定,Preliminary hydrophofic cove formationの3手段の試験は,まだ再現性ある結果を得ていない。別にLyzm以外のタンパク質の採用,またRefolding達成率の評価法として,例えば蛍光UV,nmr測定を従来のCDや活性測定以外に採用することについて考慮中である。
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