研究課題/領域番号 |
03555180
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
酒井 朝也 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (00080169)
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研究分担者 |
福原 健一 味の素(株), 中研, 主任研究員
栗本 英治 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (90234575)
黒田 良孝 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (40080204)
野原 大輔 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (60080214)
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キーワード | 球状タンパク質 / リゾチーム / タンパク質の折りたたみ / タンパク質の構造 / タンパク質の沈殿 / タンパク質の固定化 / タンパク質の不溶化 / 疎水結合からなるコアの形成 |
研究概要 |
全還元したニワトリ卵白リゾチーム(Lyzm)を6M尿素+6M LiClの混合溶液にとかし、Refolding試験の試料とした。本年度(平成4年度)の研究実施計画に掲げた7項目について、結果を以下に記す。 (1)疎水結合を選択的に形成させることを意図し、尿素のみをうすめた試験結果は、(2)イオン結合を選択的に形成させることを意図してLiClのみをうすめたものに比べて、Refoldingの達成率が高いものが多かった。中でも尿素を2Mまでうすめて熟成期間をおいたものでは17.7μMの[Lyzm]で70〜80%、1.1μMで95%のRefolding収率を達成できた。 S-S結合再形成に関しては、(4)上記(1)の方法でゆるいFoldingを完了させてからそこへGlutathione redox系を加える試験結果が、(3)Refolding溶液系に予めGlutathione redox系を入れておく方法よりも優れていることが分かった。この操作で例えば60%達成率を70%程度まで上昇できた。(5)Refolding溶液中の酵素濃度が低いほどRe-folding達成率が上昇した。(6)Refolding系の温度の影響については定量的な試験は実施していないけれども25〜30℃の室温よりも4℃の氷水中が良いRefolding達成率を与えた。 (7)以上の試験からRefolding procedureの基本操作を選定できた。Procedureの急所は2MUrea中で熟成すること、GlutathioneによるS-S結合形成を遅らせること、低温にすることなどである。これを基礎に3手段の試験を実施する(7)項については、現時点では再現性のある実験結果がまだ得られていない。タクパク質の種類によってHydrophobiccore formationの効果やIonic interactionの影響の仕方が違ってくることもあり、これらのことを踏まえて次年度の計画につなげてゆきたい。
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