研究課題/領域番号 |
03555181
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研究機関 | 富山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
篠田 清徳 富山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (50042833)
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研究分担者 |
鎌倉 勝善 富山工業高等専門学校, 工業化学科, 助教授 (40042832)
宮谷 大作 富山工業高等専門学校, 工業化学科, 助教授 (20018980)
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キーワード | フロンの分解 / CFC-113 / CFC-112 / ハロゲン化金属 / COおよびCO_2 |
研究概要 |
地球の環境問題であるフロンによるオゾン層破壊を軽減し、更に、積極的にフロンを次世代フロン等の有用化合物への転化を目的として、フロンとアルコ-ルとの接触反応を試みた。フロン類として、CFC-112および113を選び、種々のハロゲン化金属を含浸法で活性炭に担持した触媒を用いる固定床流通式気相反応で実験した。 内径25mmのステンレス製反応管に触媒を充填し、竪型管状電気炉の温度を一定に保ちながらCFCとエタノ-ル混合物をマイクロフィダ-で反応管に送り込み、反応させてガスクロマトグラフィ-で定量した。CFCは脱ハロゲン化反応の他、塩素の一部が水素と置換したHCFCの生成を伴って、COおよびCO_2に転化した。一方、エタノ-ルは一部、酸化されてアセトアルデヒドおよび酢酸エチルに変化した他は塩化エチルに転化した。塩化鉄(III)触媒を用いたCFC-112/C_2H_5OH混合物の接触分解反応は150℃から始まり、270℃で完結した。また、CFC-113の分解はやや遅くなり、300℃付近でほぼ完全にCOとCO_2に分解した。分解反応の一例としてCF_2ClCFCl_2+3EtOH=CO+CO_2+3EtCl+3HFで示すことができる。種々のハロゲン化金属の触媒活性は次の順序で低下した。PdCl_2>FeF_3>CrF_3>ZnCl_2>CrCl_3>FeCl_3>CoCl_2>MnCl_2>NiCl_2>CuCl_2>AlCl_3>LaCl_3。この接触分解反応の中間体として酸ハロゲン化物を想定しており、酸ハロゲン化物がエタノ-ルと直ちに反応してエステルを形成し、これらのエステルが分解して、COおよびCO_2になるものと考えている。
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