研究課題/領域番号 |
03555187
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高井 光男 北海道大学, 工学部, 教授 (50002019)
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研究分担者 |
杉山 貞夫 札幌医科大学, 助教授 (60045490)
藤原 政司 北海道大学, 工学部, 助手 (30229075)
清水 祐一 北海道大学, 工学部, 助手 (80142694)
浦木 康光 北海道大学, 農学部, 助手 (90193961)
戸倉 清一 北海道大学, 理学部, 教授 (40000806)
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キーワード | イカキチン / コラーゲンラミネートイカキチン / メチパック / ベスキチン / 綿維芽細胞 / 接着率 / 増殖率 / 連続抄紙機 |
研究概要 |
組織培養用のコラーゲン膜(コントロール膜)に対するヒト線維芽細胞の接着数を100%として各試料の3時間後と24時間後の接着率を求めた。コラーゲンラミネートイカキチン紙ではコントロール膜に比べ3時間後の接着率はあまり良くなかったものの、24時間後には80-100%の接着が見られた。一方、イカキチン紙のみでは40-50%と低い値となった。市販のメイパック、ベスキチンはこれよりも更に低く、5-10%となった。これは線維芽細胞のキチンに対する接着力に比べてコラーゲンに対する接着力の高さを示していると考えられる。他方、増殖については、イカキチン紙はコントロール膜に比べて70-80%の増殖率でコラーゲンラミネートイカキチン紙は70-100%の増殖率であった。従って、本研究で試作したイカキチン紙とコラーゲンラミネート紙は組織培養用のコラーゲン膜に比べ遜色なかった。更に本研究ではベンチスケールのイカキチン紙用連続抄紙機の試作を行った。この抄紙機の機構上の特徴をまとめると次のようになる。(1)上下一対の無終端ベルトを先導部に向かって間隔が絞られるように配置されている。これにイカキチンを含む原料液(1-3g/1)を一対の上下リザーバで挟み保持した状態で供給し、上下無終端ベルトによって上下リザーバと一諸に吸引・圧延・乾燥して水分を分離・除去する。この方式によってキチンシートの収縮率を10%程度に抑えてシート形成ができる。(2)上下のリザーバに多孔質(150#)のナイロン織布を使用している。また上部リザーバに綿布(ガーゼ)やレーヨン繊維不織布等を用いると、キチンが接着した複合紙が出来る。(3)上下のポリエステル製無終端ベルトから構成されている。(4)脱水用の吸引プレートを備えている。(5)本抄紙機の抄紙能力が50cm/min、抄紙幅8cm、抄紙長20mで巻取りボビンでのキチン紙の平均湿度が40%以下で連続抄紙出来る。さらに極少量(5g程度)でも抄紙可能で、研究用に最適である。以上本抄紙機はカニキチン紙製造行程よりも簡単で製造コストも安価なイカキチン紙製造が可能である。更にバインダーや残留有機溶剤の問題が無く安全性も高い。
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