研究課題/領域番号 |
03555187
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高井 光男 北海道大学, 工学部, 教授 (50002019)
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研究分担者 |
杉山 貞夫 札幌医科大学, 皮膚科学教室, 助教授 (60045490)
藤原 政司 北海道大学, 工学部, 助手 (30229075)
清水 祐一 北海道大学, 工学部, 助手 (80142694)
浦木 康光 北海道大学, 農学部, 助手 (90193961)
戸倉 清一 北海道大学, 理学部, 教授 (40000806)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | α-キチン / カニ甲羅 / β-キチン / イカ背骨 / 人工皮膚 / キチン紙 / 生体適合性 / 連続抄紙機 |
研究概要 |
イカ背骨中の灰分量は蟹及びエビ類の30〜45%に比較して0.5%と極端に低く、脱灰の手間が省け4%アルカリによる脱蛋白で容易に精製キチンがえられる。精製イカキチン2〜6g(乾燥重量)を水50ml中ホモジナイザー又は、ミキサーで離解し(フリーネス0)、これを水3000ml中へ注ぐ。この懸濁液約200mlずつを吸引式バッチ型抄紙装置でシートを作成した。シート厚さは初期キチン濃度により調整した。抄紙したイカ及びカニキチン紙の走査型電子顕微鏡観察結果によると、カニキチンはミクロフィブリル構造が顕著に発達しているのに対し、イカキチンはフィブリル構造は明確でなくラメラ状構造を示している。振動リード法で求めた動的ヤング率はイカキチン紙で9〜11GPa,カニキチン紙の5GPaよりやや大きい。しかし、このヤング率より求めた曲げかたさでは、イカキチン紙の方がカニキチン紙より1オーダー小さく軟らかい。又、裂断長はイカの6〜7Kmに対してカニは3Kmと小さく、破裂強度についてもカニの1.0に対してイカは5〜7と大きくイカキチン紙は軟らかい。耐折強さも1Kg荷重で15回以上を示した。更にイカキチン紙は水蒸気透過性、吸水率ともカニキチン紙より高く代用皮膚として適している。この他生体人工心臓弁基準による急性毒性試験、発熱性物質試験、溶血性試験、皮内反応試験、移植試験、抗原性試験、抗菌性試験等に於てイカキチン紙は生体適合性の高さを示した。一方、ヒト線維芽細胞による接着率と増殖率を検討したところいずれも市販のベスキチンや組織培養用のコラーゲン膜より高い値を示した。紙・パルプ工場に於ける新聞紙用連続抄紙機に改良を加えたベンチスケールのイカキチン紙用連続抄紙機に試作を行った。その結果イカキチン濃度1-3g/1の懸濁液で0.5m/minの速度で連続20mの抄紙がバインダーなしで可能であり、巻取りボビンでキチン紙平均湿度が40%以下で連続抄紙ができた。本抄紙機はカニキチン紙製造工程よりも簡単で製造コストも安価なイカキチン紙製造が可能である。更に、バインダーや残留有機溶媒の問題が無く安全性も高い。
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