研究課題/領域番号 |
03555192
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研究機関 | 北九州工業高等専門学校 |
研究代表者 |
原口 俊秀 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 教授 (00038598)
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研究分担者 |
西宮 康二 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 助手 (10208209)
井手 俊輔 北九州工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (10041550)
磯村 計明 北九州工業高等専門学校, 化学工学科, 教授 (80037887)
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キーワード | プラズマ開始重合 / プラズマグラフト重合 / アクリルアミド / アクリル酸 / 金属イオン吸着 / 抽出 / 濃縮 / 希土類元素 |
研究概要 |
本年度は主として金属イオンの吸、脱着能を有する高分子材料の開発を目的として、実施計画に沿ってプラズマ開始重合法による高分子ゲルの合成とプラズマグラフト重合法による多孔質中空糸の表面修飾についての研究を行った。アクリルアミドやアクリル酸の水溶液の溶存酸素を完全に除去した後、この溶液の凍結表面に約90秒間プラズマ照射すれば、約24時間で定常的に重合物が得られ、その強度や空孔率は架橋剤の割合で変化することがわかった。得られた重合物を用いて金属イオン(銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、カドミウム、パラジウム、鉄)の吸、脱着および濃縮について検討した結果、本研究のボリアクリルアミドやポリアクリル酸粒子は金属イオンをほぼ定量的に吸着し、パラジウムと鉄以外は数分以内で吸着平衡に達する事がわかった。また、カラム法により、溶離剤として1M塩酸を用いた場合、定量的な回収が可能であり、10-17倍の濃縮率が得られた。ポリ四フッ化エチレン多孔質中空糸に50Wのアルゴンプラズマを約5分間照射し、これにアクリルアミドやアクリル酸水溶液やアクリル酸の蒸気を接触させることにより中空糸表面にグラフトポリマ-層を付与することが可能であり、そのグラフト層の厚さはモノマ-濃度と処理時間で制御することができた。表面分析の結果、グラフトポリマ-は通常の線形ポリアクリルアミドやポリアクリル酸と同様の構造を有していることがわかった。多孔質中空糸の外側と内側に金属水溶液と抽出試薬を含む有機溶媒を流して行う抽出実験にグラフト層で修飾した中空糸を用いた場合、イットリウム、エルビウム、およびホルミウムのような希土類金属間の抽出分離能がかなり向上することが認められた。
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