• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

蒸着重合(Vapor coating)法装置の試作

研究課題

研究課題/領域番号 03555195
研究機関三重大学

研究代表者

岩月 章治  三重大学, 工学部, 教授 (80023034)

研究分担者 久保 雅敬  三重大学, 機器分析センター, 助教授 (70195494)
伊藤 敬人  三重大学, 工学部, 助教授 (90126954)
キーワード蒸着重合 / 異性化反応 / 熱分解
研究概要

試作した蒸着重合(vapor-coating)装置を用いてジスピロ[2.2.2.2]デカ-4,9-ジエンの蒸着重合をおこなった。その結果、ジスピロ[2.2.2.2]デカ-4,9-ジエンの昇華ガスは450℃以上で熱分解反応を受け、その熱分解ガスを20℃で凝縮させると、透明なフイルムを10から20%の収率で与えることがわかった。クロロホルムを溶媒としたゲル浸透クロマトグラフイーからその数平均分子量はポリスチレン換算で3万5千であった。そのフイルムの構造は、1,4-ビス(1-クロロエチル)ベンゼンのウルツ・フィティッヒ反応生成物と同一の溶解性、赤外吸収スペクトルおよび核磁気共鳴スペクトルを有していることから、ポリ(1,4-フェニレン-1,2-ジメチルエチレン)であることがわかった。さらに、ジスピロ[2.2.2.2]デカ-4,9-ジエンの熱分解ガスを-78℃のヘキサンに溶解して塩素と反応させたところ、1,4-ビス(1-クロロエチルベンゼン)を与えた。したがって、気相熱分解によってジスピロ[2.2.2.2]デカ-4,9-ジエンのシクロプロパン環が開裂し、生成したジラジカル中間体、2,2'-(1,4-フェニレン)ジエチルジラジカル、が異性化してより安定な7,8-ジメチル-1,4-キノジメタンを生成し、その蒸気が凝縮と同時に重合する反応機構が提案された。以上の実験結果から、スピロプロパン環の開環重合の初めての例を見出すことに成功した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shouji Iwatsuki,Masataka Kubo,Yasutoshi Hori: "Vapor Deposition Polymerization of Dispiro[2.2.2.2]deca-4,9-diene" Macromolecules. (1993)

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi